死なない私はあなたのそばに

一条 遼

第1話


「おい我が下僕よ、お茶はまだか?」


「ちょっと待ってください

今お湯が湧いたところなんですから

せっかちは長生きしませんよ?」


「ははっ、阿呆め。長生きどころの話じゃないわ」


「あー、そうでしたね〜

なんてったって不死身でしたもんね〜」


「そうじゃ、そこらを歩いとる人間に

ちょっとくらい寿命を分けてやりたいくらいじゃ」


「ちょっ…また増やすんですか…」


「ははははっ、ジョークじゃジョーク

不死身ジョークと言うやつじゃ!笑え我が下僕よ」


「あははあははあははははー」


「面白くないなら笑うな!殺すぞ!?」


「あはははははジョークっすねー不死身ジョーク」


「まぁそうじゃが…ええい!腹が立つ!

ちょっと世界に終焉をもたらしてくれよう!」


「ジョークっすね〜

行ってらっしゃいませ我が主様」


「………ぐぬぬぬぬ…

最近やたらと我を舐めていにゃいがっ!」


「そんなそんな〜滅相もない

にゃめてなんかいないっすよ〜ロズメール様〜」


「こんのっ…クソガキがぁぁぁぁぁぁあぁあ!

舐めやがって舐めやがって舐めやがってぇぇぇ!

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!」


「わーこわーい、ってやめてくださいよ

ロズメール様…また家が壊れるじゃないですか…」


「うるさい黙れ静まれ死に晒せぇぇぇ!」


「ちょっ、いやまじでやめっ……」


その言葉を最後に辺り一面が消し飛んだ。



これは、そんなちょっとした事で

家をぶち壊す不死身のロズメールと

その下僕である本田の日々を描いた物語である。












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