第4話 理性で考えて感情で決定せよ

よく『人生は選択の連続だ』というが、その通りだと筆者は考えている。今日のお昼は何を食べるか、間食のお茶請けは和菓子にするか洋菓子にするかなど些細なものから、進学、就職、転職、退職といった大きな選択まで多岐に渡る。特に大きな選択の場面では沢山考えることだろう。しかし希望通りに選択できたとしても多くの人は後悔することがある。それは何故か考えた事はないだろうか。筆者はある。あの時ああしておけばよかった、あんなに考えたのに何故後悔するようなことになったのか、と。就職活動で大敗し続けたのに希望する職種にはなれた。しかし、希望した職種であるのにも関わらず就職してからが本当に後悔の連続だった。やりたくない事をやる事になり、血反吐を吐きたくなるような日々。同僚がまともだったのがせめてもの救いだろう。それも悪ければあっという間に無職に転職していたことだろう。

では、何故後悔したのか。その答えが見つかるまでかなり長い時間を要した。そしてとても単純な事だった。納得していなかったのだ。それは他人のせい?いや、選択したのは筆者自身だ。なら就職先が問題だったか?仕事内容については致し方ない部分もあっただろうが、よく考えて決めたのだ。一般的には良い企業であった事は間違いない。そこに後悔はない。なら、何が問題だったのか?何に納得していなかったのか?この時とある有名な言葉を思い出した。

『人は感情の生き物だ』

ありきたりな言葉で言えば、理性では分かっていても感情が追いついていなかったのだ。それは感情が納得できるまでずっと付きまとう。感情が追いつくことなくどんどん進んでいくことで最終的に後悔となる。企業に所属するサラリーマンである以上仕方ない面はある。決定権のない末端の担当であれば尚更だ。それでも納得できるまで質問したり意見する事はできたはずだ。それをしなかったことが、曖昧なままにしたことが、最終的な後悔とつながっている。理性は考えろ、質問しろと言った筈だ。でも、感情が拒否した。そして感情が後悔した。なら理性だけで考えればいいじゃないかとも思うが、感情が追いつかなければ後悔するためそれもダメだ。後悔しないためには感情が決定するのは絶対条件。それまでにどれだけ理性が考えられるかが重要だと筆者は理解した。納得した。

では、どうすればいいか。まずは質問すること。分からないことを分からないままにしておいても納得なんて出来ない。理性が考えるその基がない状態だからだ。次に意見を言うこと。自分が決定に従うだけの状態だとしても意見を言った言わなかったでは後悔の質が違う。反論されたとしても納得できる状況に近づくための情報が手に入る筈だ。そこから更に考え、また意見を言う。それ以上に考えれなくなるまで意見を言えれば感情も納得できる選択肢はあるはずだ。その上で決まった事、決めた事であれば後悔なんてしなくて済むだろう。

逆に言えば、相当切迫した状況でもない限り、意見を言わせない、または、説明もなく却下してくる相手であれば、早々に見限ったほうがいいだろう。考えるなと言われているも同じである。なら読者である貴方でなくても良いではないか。人は考えれるからこと価値がある。考える事を行い、考えなくてもいい事は機械にまかせよう。

繰り返すが、理性でこれ以上ない状態にまで考え抜いて、その上で感情が赴くままに決めて欲しい。後悔なんてしなくて済むならしないほうがいいのだ。

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