第05話「ロリ爆乳毒舌メガネっ子ミニタンク系ヒーラードワーフ」
アーシュが逗留する宿は、ここが本当に同じ街の中なのかと疑いたくなるような豪華さだった。
俺が泊まろうとしていた宿がシングルのビジネスホテルだとすれば、こっちは赤プリだヒルトンだ帝国ホテルだ。
泊ったことないけど。
まぁとにかく、宿屋なのに来客用の応接室とかセカンドベッドルームとか、無駄に部屋が多い。
それでも一泊金貨10枚、10日泊っても大金貨1枚だというのだから、安いもんだった。
いや、金銭感覚おかしいか。
「……あー、いい部屋だな。アーシュ」
「でしょ? 気に入ると思ったんだ~」
今までいかにもエルフの冒険者っぽい軽装の鎧を着ていたアーシュは、今はカジュアルな洋服に着替えていた。
短めのスカートからのぞく、細く長い生足がなかなかいい。
編み込んであった金髪も、今は緩いポニテになっていた。
「じゃー飯行くか」
「うん。一階に美味しい食堂があるよ!」
何気に午前中から歩き詰めで何も食っていない。
ステータスの状態異常欄に「空腹」と出ているのもうなずけるハラヘリだ。
ごてごてした装備品を全部部屋に置いて、俺たちは食堂へ降りた。
「あ、コルテだ、やっほー」
席に着くなり、アーシュは隣の席で食事をしている人物に声をかけた。
にこやかな笑顔で振り返ったのは、丸眼鏡をかけた小学生くらいの女の子。
しかし俺の視線はおっぱいにくぎ付けになった。
ロリ顔に似合わぬ、反則のような巨乳……いや、爆乳。
彼女の笑顔は、俺がおっぱいをガン見しているのに気づくと、あっさり曇った。
「アーシュ、どなたでしゅか? この変態しゃんは」
「変態じゃないよー。クラウドだよー。へへ、かっこいいでしょ?」
「前々から変なエルフだと思っていまちたが、異性の趣味も狂ってましゅね」
おおっと、舌ったらずな口調なのに意外と毒舌だ。
俺はステータスを確認しながら、右手を差し出した。
「俺はクラウド。よろしくな」
「コルテは変態しゃんとよろしくするつもりはないのでしゅ。さっさとその汚い手を引っ込めるでしゅ」
メガネのふちを持ち上げて、もう片方の手でおっぱいを隠したコルテはぷいっと横を向く。
なかなかの口汚さと露骨な態度。
確認した好感度は0だったが、それ以上に驚いたのは、コルテの種族欄だった。
「え? そんな可愛いのにドワーフなの?」
「いまさら褒めても何も出ないでしゅよ。それに、ドワーフなんか珍しくもないのでしゅ」
「いや、ドワーフってあれだろ? 歩く
「……ケンカ売ってるなら買うでしゅよ? 全部を否定はしないでしゅが、
ロリ爆乳毒舌メガネっ娘ミニタンク系ドワーフ。しかもレベルは58のヒーラー。神職だ。
コレを逃す手はない。早速好感度をバイナリエディットしてやろうと思ったが、さすがにゼロは検索できない。
だが俺にはアーシュと言ういい実験台がいるのだ。
アーシュの名前の最後のアドレスから、好感度のアドレスまでのバイト数を数える。
コルテの名前を検索し、アーシュと同じだけアドレスを追えば、そこの「00」が好感度なのは自明だった。
「ねぇクラウド、何数えてるの?」
「今大事なとこだ、少し静かにしてろ、アーシュ」
「はーい」
「
「ふふーん、クラウドの魅力に気づいてないなんて、コルテもかわいそうだなー」
二人の会話をしり目に、俺は問答無用でコルテの好感度を「FFFF」に書き換える。
とたんに眼鏡の奥のコルテの瞳もハート型に変わったが、さすがに飛びついてくるようなことは自制したようだった。
「あ……あれ? いや、コ……コルテにだってクラウドしゃまが魅力的なことくらい分かるでしゅよ。そうでしゅ。すっごくわかるでしゅ」
「あ、やっぱり? さすがぼくの親友。でもクラウドはあげないよ」
「アーシュにそんな権限はないのでしゅ。それにクラウドしゃまだって、おっぱいの大きな女の子の方が好きに決まってるでしゅ」
相変わらずバイナリエディットの効果は絶大だ。
もう隠すことなく俺に向けられているロリ爆乳を堪能し、俺はアーシュのつるぺたのまな板に視線を戻した。
「俺はつるぺたも爆乳も差別はしない。どっちも……いや、大きさなんか関係なく、世界中すべてのおっぱいが好きだ」
「つるぺ……でもクラウドが好きならぼくはそれでいいや」
「なにを真面目な顔で変態発言してるでしゅか……でもさすがクラウドしゃま、鬼のような懐の深さでしゅね……だいしゅきでしゅ♡」
最後、唐突に告白された(笑)
どうもバカにされてる気もするが、目を見る限り本気でほめているらしい。
こうして、当然のようにドワーフのコルテも仲間に入り、俺の勇者パーティは3人になった。
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