第89話 『ラストバトル』 その2


 激しい回転は、あたかも地球の自転のように、いつまでも続くかのようでしたが、しかし、そうではなくて、こまの回転のように、わりにすぐに緩くなり、揺らぎだし、そうして、ついに止まりました。


 怪物たちは、まりこ先生がどうなったか、まさに興味津々のようでしたが、怪物化していない、新山悟や、兄様たちは、気が気ではありませんでした。


 フィールドの中で、渦を巻いていた様々な物体は、ばたばたと、地面に落下しました。


 激しい埃で、なかなか、中身が見えませんでしたが、それも、次第に落ち着きました。


 それで、みなは、見たのです。


 まりこ先生は、地面の上に、仁王立ちしていました。


 『やったあ。』


 新山悟は、叫びました。


 『うわあ! なんでだあ〰️〰️〰️〰️。』


 『やはり、まりこ先生は、不死身かあ〰️〰️〰️〰️。』   


 など、沢山の歓声が飛び交いました。


 『ほ、ほ、ほ、ほ、ほ。』


 怪人は、しかし、不敵に笑っておりました。


 『よくぞ、生き延びた。』


 よく見れば、まりこ先生には、傷ひとつ見当たりません。


 『まりこ先生、いかにして、逃げ延びたか?』


 怪人が尋ねたのです。


 『なにも。』


 まりこ先生が答えました。


 『なにもしていない。ただ、身を任せただけ。』


 『ほう。それは、恐れ入った。恐るべき、強運だ。あり得ない確率だ。』 


 『兄様、それは、真実ですか? やはり、まりこ先生は、超人では?』


 新山悟が、兄様に尋ねたのです。


 『いな。まりこは、たしかに、最高に強運だ。言ってみれば、銀河系で、ただひとりの、強運の持ち主と言っていいだろう。それは、技術とかをはるかに越えた、確率の問題だが。ただし、目を回さなかったとか、反射神経の良さとかは、ある程度は訓練の成果だが。それは、ちょっとだろ。』


 『はあ………』


 新山悟は、しかし、いくらか、まるで合点がいかなかったのです。


 『やはり、恐るべき方ですな。』

 

 ラーメンやの主人は、しかしながら、いかにも納得したようにうなづきました。

  

 

        🌀👕


 


  

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