第87話 『大将の正体』 その20

 『どっかあ〰️〰️😅ん。』


 彼方の方角で、爆発が起こり、炎と共に、ちょっとスリムなきのこ雲が、薄明かるい夜の闇にぐんぐんと立ち上るのが見えました。


 『わわわあ。ばくはつったよ。』


 新山悟がびびったうえ、観衆たる怪物のみなさんが、大幅にざわついたのです。


 爆風も来まして、本館の古い佇まいの窓ガラスが、びりびり震えました。


 それは、かの怪人さんの棲みか辺りで起こったに違いありません。


 『ほほほほほ。』


 初代理事長が、ほくそ笑みました。


 しかし、当の怪人さんは、平然としています。


 『おろかな。わたしが、あの心地よい空間が気に入っているのは確かだが、依存しているわけではない。彼処が破壊されても、わたしには、何の害もない。友よ、勘違いしていないかな?』


 『むむむ。しかし、あなたは、あそこから、エネルギーを吸収しているはず。破壊されれば、エエネルギー源を絶たれる。』


 『確かに。しかし、わたしに蓄積されたエネルギーは、それだけで、節約したら、100年は持つだけの余力がある。新しい自宅を建てれば良いだけのこと。雑作もない。宛が外れたな。』


 『やややややや。やるまいぞ。やるまいぞ。』


 初代理事長は、土俵から退かざるを得ませんでした。


 怪人さんと、一騎討ちする元気は、もはや、残ってはいなかったのです。


 ついに、まりこ先生と、いまだに、正体不明の怪人さんとの、決戦の時が来たのです。


  


  


  

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