第79話 『大将の正体』 その12


 しかし、なんと、まりこ先生には、そのような助けは、不要だったのです。


 『力の配分が、不均等ね。これだけでっかいと、そうなる。抜け道はあるわけよ。さっさと潰さなかったのは、失敗ね。おごれるもの、久しからず。』


 まりこ先生は、大将の太い腕と指先にあった、小さな抜け道を見つけたのです。


 『どのくらい、敏感かな?』


 まりこ先生は、その指に噛みつきました。


 『いちっ!』


 初代理事長の怪物が、一種ひるみました。


 『だっしゅーつ。』


 まりこ先生は、怪物から抜け出すと、間髪を入れずに、左目を狙って、一撃を入れたのです。


 『あちゃあ。』


 初代理事長の怪物が叫びました。


 さらに、右目を攻撃します。


 怪物の目玉が飛び散ります。



 『おごわあ!』



 怪物が、両目を押さえて、座り込みました。



 『そこまで!』



 天を揺るがすような声が響きました。



        🛸

       


 


 

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