第78話 『大将の正体』 その11
まりこ先生は、すんでのところで脱出しました。
そうして、飛び上がろうとしたところを、相手方大将の、太い、やたらに伸ばされた腕に、捕まれてしまいました。
『さあ、捕まえた。』
初代理事長が、意地悪く言います。
『みんなで、食べても良いが、それは、あまり文化的ではない。改造するのは、やはり、めんどうだ。まあ、まりこ先生、残念ながら、終わりだ。理想社会の礎となってもらおう。』
大将の腕は、すんなりと、長い刀になりました。いま、それを、振り上げたのです。
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まりこ先生の兄様は、これまでのいきさつを、怪人に話しました。
そうして、理を説いたのです。
『あなた方の理想は、人殺しですか?』
『まさか。我らは、理想の社会を目指す。』
『あなたが見たものは、理想の社会ですか。』
『いや。そうは見えない。しかし、あのリーダーは、知っている。かつて、理想の社会を語り合い、力を分け与えたのである。』
『不死になった?』
『まあ、そうである。』
『それに値する行動は、していないように思えますが。』
『たしかに。あの、まりこ先生というのは、あなたの知り合いか?』
『妹です。』
『殺されようとしている。止めたいか。』
『そりゃ、止めてください。』
『よかろう。とりあえず、止めよう。それからだ。』
怪人は、学園の方を振り向きました。
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