第77話 『大将の正体』 その10

 

 『まりこ先生は、強いな。しかし、このような闘いはやはり、無意味だ。はやく、終わらせよう。』


 初代理事長が、また、なにか、かみつぶすように、言いました。


 『そうね。何べんでも言いますが、あなたの欲望は正しくないですよ。人類を支配する? ナンセンス。』


 まりこ先生は、再び攻撃にでました。


 あちこち、とびまわりなが、突っ込みどころを探ります。 


 『大小などは、自由自在だ。しかし、アルベリヒさんのような、あほなことには、したくないからな。』


 『む。アルベリヒ。ワーグナーさんですか。』


 『さすが、先生、そのとおり。』


 初代理事長は、まりこ先生と同じくらいの大きさになりました。


 そうして、まりこ先生と同様の速度で、となりを走ります。


 アルベリヒさんについては、ワーグナーさんの『ラインの黄金』を参照ください。


 走りながら、お互いに、ジャブを飛ばします。


 しかし、初代理事長さんの腕は、伸縮自在のようなのです。


 『まんがみたいね。』


 まりこ先生は、さらに、早く動きます。


 しかし、相手が急に小さくなったので、かえって、やりにくくなりました。


 照準を合わせにくい。


 『ほら。こっちだ。』


 初代理事長は、からかうように逃げますが、まりこ先生の背後を狙っています。


 わかっておりますが、動きがやたら速いです。


 どかん。


 と、まりこ先生は、突き飛ばされて、転倒しました。


 すると、初代理事長は、空に飛び上がって、急に、さらに巨大な姿に戻りました。


 押し潰そうと言う魂胆でしょう。


 『まあ、失礼な。』


 まりこ先生が、叫びました。

         


       🥇

 

 


 

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