第73話 『大将の正体』 その6


 まりこ先生は、本格的な攻撃を出したのです。


 これの、主な手段は、手です。


 さきほど、次男さんのお口から手を突っ込んだのは、その応用です。


 誰にも負けない、早さが信条です。


 しかし、なぜだか、する、とかわされてしまい、さらに、訳のわならないパンチを喰らいました。


 『あぎゃあやあー!』


 同時に、相手が叫びました。


 まりこ先生は、2メートルばかり、後ろに飛びました。


 もちろん、受け身は完璧なので、たいしてダメージはにはなりませんが、なぜだか、手は、届かなかったのです。


 『ははは。わかったかな?』


 初代理事長さんは、まったく動いた気配がありません。


 『む、気合いだけで持ってかれたか。』


 まりこ先生は、体重差は、感じていました。


 軽いと、どうしても、身体を運ばれやすくなります。


 しかし、これは、いささか、屈辱的です。


 気合いで持ってかれたなんて。


 『きみの気合いが悪いのではない。わたしが、上回るだけだ。気にするな。』


 大将がバカにしたように言います。


 『ふん、この怪物さんの弱点のひとつは、そこだな。』


 まりこ先生は思いました。


 


 


 

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