第69話 『大将の正体』 その2


 『り、理事長が、尊師さまが、動いた。』


 すべての、怪物人類が、驚きました。


 そうして、あの、合唱がはじまったのでした。


 『うんじゃあまいやら。うんじゃあまいやら。うんじゃあまいやら。』


 まりこ先生と、ラーメンやの大将以外、みなが、この大コーラスに加わっております。


 『あらまあ。いやな、ふんいきね。飲まれてしまいそう。まあ、しかし、これはこれで、感動的なのかな。連中も必死なわけだ。本当の怪物である、幹部の彼らにも、人並みの感情は残っていることはわかったわ。それは、やっかいというわけだ。で、ついに、御大の登場か。早いわね。』



 うんじゃあまいやらあ。


 うんじゃあまいやらあ。



 大合唱は次第に高まり、収まるところを知りません。


 その、声に包まれながら、怪物初代理事長は、試合場に上がってきたのです。


 『む。大きいな。』


 まりこ先生は、自分の3倍はあるだろう、初代理事長を見据えました。


 雰囲気に飲まれたら、それだけで負けになります。



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