第64話 『学園大戦』 その42



 『明日以降が、やっかいだけどな。ま、明日があればだけどね。よし、早くやろう。最後だと思って。』


 『あい。』


 ふたりは、再度、位置に着きました。


 その最中、ふたりの目には、なんとも言えないような姿の怪物が二人、立木を伝いながら、こちらに迫ってきているのが見えました。間もなく、攻撃態勢になる、という風情であります。


 『いくよ。せーの。いち、に、さん!』



 『うんじゃあまいやらあ。』



 すると、その蔵のような建物から、地上の全方位に向かって、派手な光が広がりました。


 あたりは、まるで、真夏の真昼みたいな明るさになり、強い熱波も同時に広がったのです。


 『あちちちち。核爆発かあ。』


 兄様が、小さく 叫びました。


 襲いかかろうとしていた怪物人間は、なぜだか、勢いを失って、そのまま、地面の上に転落しました。


 『やられたかな。丸焼けかな。』


 兄様が、身体を確かめました。


 しかし、光と熱は、すぐに、退いてしまいましたが、まだ、目が良く見えません。


 新山悟が、ふらふらしながら、壁を手で伝いながら、こちら側に歩いてきます。


 『あにさま、生きてます?』


 『生きてるみたいだ。』


 『なんにも、見えません。』


 『うんだ。目をやられたかな。でも、焼けたようには思えない。暫くしたら、見えてくるよ。』


 実際、ふたりは、間もなく、きらきらと輝く、あの、建物を見ることになりました。



         💡🏚️💡


 


 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る