第65話 『学園大戦』 その43
溶接をしている真っ最中の光を、近くで防護無しにうっかりまともに見てしまうと、暫くは視力が落ちてしまいます。しかし、この場合は、1日位で回復するようです。
兄様と、新山悟が見た強烈な光は、そこまでは行っていなかったのです。
だから、10分もしないうちに、視力は回復してきました。
『なんでまた、こんな、仕掛けにしているのでありましょう。』
新山悟が、兄様に尋ねました。
『まあ、根性入ってない侵入者を、撃退する意図かもしれないですね。』
『さっき、チラッと見た怪物さんは、あそこで、のびてますが。』
『ああ。もしかしたら、連中、明るい光には、弱いのかも。』
『吸血鬼さんみたいですね。』
『確かに。暗闇は、人類の恐怖だからね。恐怖の存在は、必然的に夜に活躍するわけ。UFOに誘拐された話も、なんとなく、夜が多い。オカルト番組も、昼に出発しても、本番は夜になる。神社などのお祭りも、夜に雰囲気が出る。でも、戦は本来昼にするのが基本で、夜襲は奇策だ。巡航ミサイルなんか、動きがゆっくりだから、昼間は撃墜されやすい。だから、夜に使うのが基本的やり方だ。典型的な化物タイプの兵器だ。で、なんと、これは、どうなってる。』
ふたりは、ようやく見え始めた目を疑ったのです。
その、蔵のような建物の周囲の壁は、綺麗さっぱり、消えて無くなっていました。
つまり、中身がむき出しになっていて、円筒形のロケットみたいな、あるいは、巨大なお茶の筒みたいな物体が残されていたのです。
軽く光ながら、ぶーん、ぶーん、と、小さな音を発しています。
『こりゃ、なんだべかあ〰️〰️〰️。』
新山悟が、ぼやっと言いました。
しかし、兄様は、すでに、その内部の検分に取り掛かっております。
🍵
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