第56話 『学園大戦』 その33


 『なんと、情けないことか。』


 怪物姿の初代理事長が、あっさりと言いました。


 『まりこ先生は、異次元の強さですね。』


 人間の姿のままの、初代生徒会副会長が、ちょっと皮肉に言いました。


 『きみは、反体制派かな。』


 『現在は、まだ、あなたが反体制派ですからね。わたしは、その子分ですから。』


 『ふん。私は、極めて寛容な指導者だ。一定の反体制的な言動は容認している。しかし、限度はある。』


 『理事長。独裁者は、みな、そう言います。』


 『ふん。新時代になれば、君も、真実を知るだろう。戦争はなくなり、新人類は、平和を実現できたと知る。緩やかな独裁は、その、必要最低限のツールと言うべきものなのだ。』


 『ぜひ、見せてください。』


 『もちろんだ。しかし、まず、あのいまいましい、まりこ先生を、倒さなければならない。あの、元彼は、あまりに無様だな。』


 『そうでしょうか?』


 『異議があるかね。』


 『さあ。どうでしょう。理事長、あ、タッチしましたよ。次は、あなたの、息子さんです。』


 『3番目にあいつを出すとは思っていなかったな。まあ、ここからが、真実の闘いだな。』


 『なるほど。』


 しかし、まりこ先生の元彼は、無惨にやられるためだけに、リングに上がったわけではなかったのでした。


         🤼‍♂️


 

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