第51話 『学園大戦』 その28
まりこ先生の兄様は、懐中電灯の明かりを頼りに、リュックで持ってきていた携帯用の『ミニ発掘セット』を使って、さささ、と、地面のポールが埋まっていたあたりの土を払いのけました。
『兄さんは、いつも、なんでも、持ってるんですか。』
新山悟は、ちょっと、びっくりしたように、言いました。
『ま、大概のものは入ってる。緊急食品、緊急飲料水、懐中電灯、みにかいろ、ミニ高感度ラジオ、アマチュア無線の小型無線機。万能薬品。消毒薬、キズバン、宇宙人撃退キット、そのほか、様々ね。』
『宇宙人撃退キット? なんだ、それは?』
『まてまて、よし、4ヶ所見つけたぞ。ちょっと手伝って。一本引っ張りあげよう。固まってるかも。ほら、ここに取っ手がある。やはり、固いな。よし、緊急にょいぼう!』
兄様は、リュックから短い棒を引っ張りだして、すすす、と伸ばした。
『こいつを通して、ほら、そっち引っ張り上げる!』
『ラジオのアンテナみたいだな。』
『理屈は同じだが、強度が違う。軽いが、非常に強い。建築用だけどね。そら、引き上げろ。』
『せーの。よいしょ。よいしょ。』
ふたりは、引っ張りました。
すると、やっと、10センチくらい上がったところで、ポール全体が光り始めたのです。
それも、4本全部がです。
『あがゃあ〰️〰️〰️😃 なんだこら?』
新山悟が、呆気に取られました。
『ふふん。たいそうな、仕組みだね。意味不明のだけど。』
4本のポールは、自動的に1メートル半くらい立ち上がりました。
その間には、わりに頑丈そうな、チェーンが張り渡されております。
『いやあ。なつかしや。むかし、こうなってた、風景を見たような気がするんだ。』
『はあ。兄さん、これ、なんの意味があるんですか? 乗り越えたり、屈んで、入るには、あまり、障害にならないしよ。』
『はははあ。こいつさ。ほら、小さな鍵がある。』
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