第41話 『学園大戦』 その18
出前自転車は、暗くなった学園の裏門に到着しました。
やたら、人件費が高いこの時代にありながら、学園は、正門にも、裏門にも、管理人さんが常駐していました。
ただし、この人たちは、すでに社会から引退した卒業生が、交代してやっておりました。
アルバイトです。
すでに、すっかり、怪物化しておりましたが、なぜだか、摩耶真みたいな混乱状態にはなくて、ちゃんと仕事をしていたのです。
さらに、ラーメン屋さんの大将さんには、なんの変化もありません。
これは、つまり、この店のラーメン自体に、秘密があるらしき傍証でした。
ラーメンを一挙に20人前運べる、特別製の配達マシンを搭載した自転車は、出発して五分も立たずに裏門まで到着したのです。
つまり、ラーメンそのものは、現地で取り分ける方式なのです。
しかも、あっけないくらい、まったくの顔バスで、門が開き、なんなく通過しました。
学園とは、犬猿の仲、な、はずなのに。
なお、まりこ先生や、その兄様は、お話しの都合上、まことに、良いことに、大学の敷地との間にある、秘密の戸口を知っていたのです。
ところで、だれが、ラーメンを注文したのでありましょう。
・・・・・・・・・・・ 🍜🍥
『うんじゃーまいやら。うんじゃーまいやら。』
どこかで聴いたような、怪しい合唱が始まりました。
なにやら、目が回りそうな、いかにも危険な香りが、ホールに充満しております。
これは、やがて、近未来の、とある巨大ショッピングモールの秘密組織に、引き継がれることになるのですが、いまは、まだ、その時代ではありません。(カクヨム内『巨大モール難民』参照。すでに、難民化しております。はい。)
『偉大なる我らが理事長さま。おいでんさい。』
『偉大なる我らが理事長さま。おいでんさい。』
そこには、学園教職員の大部分、真の生徒会役員、さらに、学園のOB、OGたち、地域代表、など、かなりの人たちが集まっておりました。
『うんじゃーまいやら。うんじゃーまいやら 』
お経のような祈りのような合唱は、ますます、高くなっております。
みな、人間とは思えない、怪しい姿になっておりますが、特に、共通性があるというものでもなく、ばらばらの姿ですが、それでも、やはり、基本的な哺乳類の形は変わらないようでした。
そうして、ついに、それは、その場のステージに、あらわれたのです。
本館の周囲は、怪物化した人たちで、びっちりと、埋められておりました。
・・・・・・・・
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