第37話 『学園大戦』 その14
学園本館の頂上、屋根裏部屋のひとつに、『元祖生徒会本部』がありました。
『一般生徒会』とのつながりは、実は、あります。
歴代一般生徒会長は、その意志に関わらず、改造の上、元祖生徒会の役員になるのです。
しかし、『元祖生徒会』の会長や、副会長などの役職者は、現役生徒ではありません。
それぞれが、様々な形態を持つ、いわゆる怪物となっています。
なかには、そのままでしか居られない者もあれば、人間形態に擬態できる能力がある者もあります。
ときに、彼らは、見た目で、ことの良し悪しなどを、一切判断しません。
見た目のありかたは、まさに多様性であり、個性なのです。
『それは、そのまま、我々が、旧人類に勝ることの象徴だ。』
現理事長の口ぐせであります。
『人類は、ながく、見た目の差別を続けてきた。我々には、そうした、意識がない。』
しかし、『元祖』の副会長、はるか、は、いささか疑念を持っていました。
『このやりかたは、正しいとは、あたくしには、確信ができないのです。会長。』
もう一人の副会長と、会長とともに、彼女は高い窓から、外を観察していました。
まりこ先生が、ちらっとみたと感じた、怪しいあの視線は、彼女たちだったのです。
『我々は、旧人類を滅ぼそうとか、危害を加えようとはしていない。』
『元祖生徒会長』は、言いました。
『進化を促しているだけだ。確かに、急激ではあるが。新しい自己を受け入れて、身体と知性のバランスを取れるようになるのに、多少時間がかかるだけだ。暴力的行動が現れるのは、1日ないし、2日程度だ。長くても、3、4日。それは、旧人類との、決別をするための時間なのだ。』
『あたくしが、不安視しているのは、そういうことではありません。これは、同意のない、強制的な行為だということです。』
『旧人類が、素直に同意するとは、思えないが。あなたの意見は、考慮し、報告するが、本部理事会が、変更することはあるまい。』
『まりこ先生は、すでに、気がつくところだ。摩耶真の意識が、そう、伝えてきている。』
もうひとりの『元祖生徒会』副会長は、アリアスという名前の、元ギリシャ人と、元日本人の子供でした。
すでに、卒業して、50年にはなりますが、三人のなかでは、一番若いのです。
彼はラーメンが大好きで、旧人類に擬態するのも得意です。
学園の天敵ともいうべき、あのラーメン家さんにも、良く出入りしていたのです。
旧人類の意識を、必要に応じ、うまく管理する力が、大変に強いのが特徴でした。
本部理事からも、高く買われています。
未来の理事長候補ともされる存在であります。
彼らの姿は、こうでした。
😇
おわび
ジャンルの設定を間違えておりましたので、訂正いたしました。
エッセイ・ノンフィクション → ホラー
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