第28話 『学園大戦』その5


 怪物化した人々は、突然に襲ってきた、目には見えない攻撃にさらされたのです。


 『ぎは〰️〰️〰️』


 『むひょ〰️〰️〰️〰️〰️』


 様々に苦しそうに叫びます。



 校舎の中からテレビカメラで様子を見ているまりこ先生には、ある種の不安がありました。


 それは、あの本にあった、読めない部分なのです。


 あそこに書いてあることは、いったい、何なのだろう。


 『まりこ先生、うまく行きそうです。』


 比較的単純な、摩耶真が言います。


 『そうだなあ。でも、なんか、へんだなあ。』


 『なにが、へん?』


 『なんというか、つまり、あっさり味過ぎるなあ。』


 『は? お味ですか?』


 『うん。どこかが、違う。』


 『スパイス間違えましたか?』


 『む。ふ〰️〰️ん。』



        🍜



 学園本館の最上階。


 謎の天守閣です。


 小さな、なにやら中世の修道士のような出で立ちの『塊』が言います。


 『ちゃちゃちゃ。予定通りでし。』


 すると、その姿を拡大した、合同体のような、あるいは、大きさだけ違う、おなじ、ゲシュタルトの怪物みたいなのが言います。


 『うむ。しかし、あの、まりこ先生とかは、油断ならぬ。あれは、我々にとっての、天敵だ。』


 『それは、考えすぎでしょう。』


 と、言ったのは、明らかに、教頭先生であります。


 その姿は、ごく普通の人間でした。


 『あのひとは、それほど、優秀ではないですよ。』


 『しかし、かの書物をすでに持っておる。あれは、我が銀河の秘密である。』


 『肝心なところは、読めないはず。ひたすら我らの敷いた道に乗って動くのみかと。』


 『あなどってはならん。』


 『は。しかし、順調です。そろそろ、第2波を発動いたしますが。』


 『よかろう。』


 教頭先生は、横二列にずらっと並んだボタンの中から、ひとつを押しました。



        🐗 💨💨💨


 


 

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