第27話 『学園大戦』 その4


 『せ、せんせ、みろよ、あれ。』


 古い木造校舎の節穴から外を見ていた、新山が、小さい声で叫びました。


 『校庭中、怪物だらけだ。たぶん、校舎も。』


 まりこ先生も、ちょっと眺めて、すぐに止めてしまいました。


 『お気の毒に。はやく、やりましょ。』


 一番最後になって、しみじみと眺めた摩耶真は、驚愕を隠せなかったのです。


 『なんで、みんな、違う怪物になるんだ? なんで、ぼくらは、無事なんだ? あ、やば。』


 『どした? 休職先生?』


 『ぶ、あのな。………まあ、したかないか。休職してるもんな。いや、目が合いそうになった。ダイジョブだと思うけど。』


 『違う怪物になるのは、個性の反映ね。』


 まりこ先生が、きっぱりと言いました。


 それから、節穴に、細い綿棒を突っ込みました。


 『よし。なんで、我々が無事かは、はっきりはまだ言えない。まずは、やります。電力供給よし。エネルギー充電100パーセント。スイッチ、オン🔛‼️』


    ⚡       ⚡

         ⚡

 

 目には見えませんが、特殊な調合をされ、お兄さんの核融合装置を使った強力な電磁波が、学校中と、敷地の境界、新校舎の屋上などに、あらかじめ、まりこ先生が張り付けておいた多数の出力端子から放出されたのです。


 その効果は、直ぐに現れました。


 


 

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