第26話 『学園大戦』 その3


 『がえ〰️〰️〰️〰️〰️〰️。がえ〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️❗🔥』


 お口から火を吹きながら、孝が廊下を歩いて行きますが、まりこ先生たちが立て籠ってる教室は、無視するかのように、素通りして行きます。


 『映画のゾンビなんかも、なぜか、無視する場合があるな。』


 摩耶真が、ささやきました。


 『よくわからないけど、あまり、視力は良くならないみたいね。怪物になったらわかる。』


 と、まりこ先生は、あっさり言います。


 『でも、ここに、入れて、あたしに食いついてこないから、あなたがた、まだ、感染とかしてないみたいね。良かったね。』


 『あれは、感染かい?』


 と、摩耶真。


 『たぶん。なんらかのね。ウイルスみたいとは、限らないな。もしかしたら、メンタルチックな意志が感染するものかもね。生徒だけでなく、学校にはいない家族もいるし、別居してる親もいたから。電磁波に乗ってゆくのかもよ。放送みたいに。それに、ほら、窓から、ここまで、光ケーブルが引いてあるでしょう。でも、まったく、関心を示さなかった。あの化け者さんたちは、やはり、目の前の食べ物以外には関心がない、捕食者系猛獣タイプね。』


 『へ、そ、そんな分類学があるんですか?』


 と、また、休職中の摩耶真。


 『うそっぽいなあ。』


 と、天才肌の、新山悟。


 『ある。あたしが、作った最新の理論なのよ。ことが収まったら、論文にする。連中は、貴重なサンプルな訳よ。』


 『恐れ入ります。なら、ほかの系統のもいるの?』


 『うん。いる。間違いなく。それは、学園長たちね。長らく、この学園を支配してきたけど、食べられてないでしょう?』


 『たしかに。やっぱ、辞めようかな。』


 と、休職中の摩耶真。


 『まあ、賢明ね。でも、いま、生き抜かないと、辞められないよ。怪物になるなら、別かも。』


 『おいらも、退学しようかな。勉強にならないよ。怪物は、やだな。』


 新山悟が、しみじみと語りました。


 『あなた、勉強きらいでしょ。悪いやつらを掃除したら、あなたの天下よ。あたしと。』


 『それは、魅力的な。』


 『視線が、生徒らしくないわ。20年早い。さて、学園長の裏に、さらに、上役がいることは、確実なわけよ。あの、書物。あ、これね。』


 まりこ先生が、カバンから、例の壁から掘り出した書物を見せました。


 『この学園の創始者にして、この国を、背後から操っていた、年齢不祥の大魔王。その正体は、まだ、わからないけど、そいつが、いる。この学園内に。本は、それを、示唆しているわね。』


 『その本に、そう、書いてるすか。』


 と、新山悟が尋ねたのです。


 『それは、書いてるみたいなんだけど、読めないないんだな。その章らしきは、全文が暗号みたいになってるわけよ。ここよ。ここ。』


 まりこ先生は、書物の後半あたりを示しました。


 『いかにも、錯綜した、非理論的な世界でありますな。』


 摩耶真が、また、まりこ先生から、嫌われそうなことを言った。


 

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