第25話 『学園大戦』 その2


 摩耶真が、いま、怪物化した生徒に食われようという、ちょうどよいタイミングで、新山悟が飛び込んできたのです。


 摩耶真は、生徒相手にむちゃくちゃできないという意識が先に立ちましたが、新山悟は、相手が誰だろうと、ひたすら突っ込むのです。


 そこで、たまたま、調理実習室の前にあった関係で、無意識に掴んでいた、大量の生姜の袋の中身を、かの口の中に突っ込みました。


 そいつは、名札から、同期生の孝であるとわかりました。


 彼は、口の中に放り込まれた以上、とにかく、食べなくてはならぬと、がぶっと、いったのです。


 見事に、効いたみたいです。


 かなり、辛口だったと判断できました。


 『ぐたあ〰️〰️〰️〰️〰️〰️❗』


 怪物化した孝は、それでも、食べ物を吐き出さなかったのです。


 『こいつ。ぜんぶ、飲み込んだ。うそだろ。』


 『感心してないで、逃げる。』


 摩耶真は、新山を引っ張って走りました。


 すると、例の部屋から腕が伸びて、ふたりを、引きずり込んだのです。


 まりこ先生は、それで、ドアを閉めて鍵を掛けました。


 『良いタイミングね。動いたわ。』


 『何が?』


 『兄貴の、常温核融合装置。これで、プログラムが始動するはず。化け物は、絶滅する。』


 『絶滅?』


 『そ、絶滅。一貫の終わり。この、お話も終わり。』


 もちろん、そう簡単ではなかったのでした。


 

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