第23話 『大戦勃発』 その3
まりこ先生は、あるいみ、地球がどうなるかには、それほど興味がないのです。
ただ、自分と言うこの存在が、このような状態で終わって良いのか?
いやあ、絶対にそれはいやだ。
と、思っています。
まりこ先生は、この、ちっぽけな学園で出世したって、ちっとも楽しくはないと感じています。
そこに、その、くだらない大人のしがらみに、生徒を巻き込むなんて、言語道断です。
でも、現学園長たちは、すでに、まりこ先生が考えているよりも、ずっと恐ろしい化けものになっていたようでした。
なんと、生徒たちが、続々と、学校に集まってきていました。
今日は、創立記念日で、授業は、お休みだったのですが。
子供たちだけではなく、多くの親たち、保護者たちが、手に手に、武器になりそうなものを抱えて、集まってきています。
なかには、猟銃を持ってる人もいるようです。
これは、まりこ先生の、大誤算でした。
もちろん、彼らが、何をしに集まって来ているのか?
まだ、分からないのですが。
その情報を、最初に掴んだのは、たまたまお手洗いに立った、新山悟でした。
お手洗いの窓から覗くと、なんだか、異様な雰囲気の学友たちが、ゾンビみたいに、登校してきているではありませんか。
親もいるみたいだ。
『これは、おかしい。へえんな雰囲気だ。』
新山悟は、さっそく、摩耶真に報告しようとしました。
しかし、元の場所に、彼はいなかったのです。
『あんりま、先生、どこさ消えたかしら?』
しかし、悟は、すぐに気がついたのです。
階段が・・・ぼろぼろの、梯子が、二階の窓の外側に掛かっていましたから。
『合図があったのかな。それにしても、ぼくが帰るまでは、待たなきゃ困るよなあ。先生のくせに。』
閉まっていたはずの、あの、あかずの窓が、確かに、開いていました。
相当に無理やりひこずったらしく、窓枠から少し、浮き上がっているようです。
『先生、やはり、単独行動に出たかあ! なんで? あの、とろい先生が?』
新山悟は、ぶつくさ言いながら、その今にも崩壊しそうな梯子を上ったのです。
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『不感応者以外の、生徒、保護者、近在の卒業生たちは、集まってきております。』
教頭先生が校長と学園長に報告しました。
校長が言いました。
『そうか。理事長は、おとなしくしているか?』
『まあ、騒いでは、ないです。』
『ふん。なかなかの、たぬきおばさんだから、よく見張れ。』
『ええ。』
『わたしたちは、これから、『偉大なる守護祖神』たちに報告に行く。』
『了解。』
校長と学園長は、教員室から出てゆきました。
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摩耶真先生は、一人で上がってきたことには、いささいの迷いがありましたが、そういう指示だったので、ここは、従ったのです。
『梯子には、いくら、あいつでも、気付くだろう。なら、上がって来るだろう。この矢印は、見るだろう。』
摩耶真は、赤のちょーくで、壁に矢印を付けていたのです。
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