第2話 『転校』


 あるひのこと。


 生徒がふたりで、まりこ先生に言いにきたのです。


『先生、やましんちゃんが、消えました。』


『あらま、また?』


『すみません。気はつけてたんですが。』


 まりこ先生は、あっさりと、言いました。


『気にしなくていいわ。相手は、幼稚園時代から、脱走の鍛錬を重ねてきた強者よ。なかなか、あなた方の手に負える相手ではないわ。いいわ。あたくしが、処理しますから。』




 一方、やましんは、慎重に逃走経路を練っていたのです。


 親が、転勤するらしい。


 このままでは、はるかかなたの、知らない世界につれて行かれる。


 やましんは、とても、嫌でした。


 なぜ、こどもの意向を聞かないの。


 そんなの、どくさいだ。


 しかし、その、やましんの前に、なぜか、黒服の男たちが現れたのです。


『やましんだな?』


『おじさんたち、なにもの?』


『いっしょに、来てもらおう。』


『ぎょわ〰️〰️〰️。たしけて〰️〰️〰️。』



         🚢




『先生、やましんちゃんは? あれから、来なくなったけど?』


『ああ、お父様の都合で、急に引っ越したのよ。かわいそうに。でもね、人生は、厳しいの。永遠に、お別れね。』



『…………………………』




・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 

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