第3話 地獄の給食と先生 前編
小学校に上がって、給食が始まった。
私は厄介なことに、会食恐怖症に加えて、「牛乳嫌い」という余計極まりない性質もあわせ持っていた。
牛乳の出ない日は片手で数えるほどしかなく、発酵乳の日は死ぬほど喜んだ。
ま、それは置いといて。
小学校一年、二年は、お残しは全然オッケーだった。
三年から雲行きは怪しかった。
が、どうにか堪えた。
地獄は、四年生だった。
担任の先生が、「嫌いでも、半分は食べよう」というタイプの先生だった。
違うんだ!嫌いとか好きとかじゃないんだ!
が、当時は「会食恐怖症」なんて言葉は知らないし、母からは「食べられない病」というわけのわからない病名をつけられ、気の持ちようとされていた。
まぁ、精神的なものだから、たしかに気の持ちようであるが。
さて、四年生の地獄はほんとうに地獄だった。
食べられなかったら、残って食べなくてはならない。(給食の次は掃除で、その次が五限だった)
掃除をみんながしてる中、机の群れに埋もれて食べられない給食と向き合う。
地獄。
その一言に尽きる。
私がもしモノホンの地獄に落ちたとしても、これより地獄だと思うことはそうそうない。
とにかく、状況を一言であらわすなら、「地獄」なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます