第3話 地獄の給食と先生 前編

小学校に上がって、給食が始まった。

私は厄介なことに、会食恐怖症に加えて、「牛乳嫌い」という余計極まりない性質もあわせ持っていた。

牛乳の出ない日は片手で数えるほどしかなく、発酵乳の日は死ぬほど喜んだ。


ま、それは置いといて。

小学校一年、二年は、お残しは全然オッケーだった。

三年から雲行きは怪しかった。

が、どうにか堪えた。

地獄は、四年生だった。

担任の先生が、「嫌いでも、半分は食べよう」というタイプの先生だった。

違うんだ!嫌いとか好きとかじゃないんだ!

が、当時は「会食恐怖症」なんて言葉は知らないし、母からは「食べられない病」というわけのわからない病名をつけられ、気の持ちようとされていた。

まぁ、精神的なものだから、たしかに気の持ちようであるが。

さて、四年生の地獄はほんとうに地獄だった。

食べられなかったら、残って食べなくてはならない。(給食の次は掃除で、その次が五限だった)

掃除をみんながしてる中、机の群れに埋もれて食べられない給食と向き合う。

地獄。

その一言に尽きる。

私がもしモノホンの地獄に落ちたとしても、これより地獄だと思うことはそうそうない。

とにかく、状況を一言であらわすなら、「地獄」なのだ。

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