ゆっくり3回読みました。少女とそのまわりに何があったのか、語り手が何を知っていて何を知らないのか、少女が本当はどんなことを考えているのか、文中では曖昧なまま語られません。でも部屋の中にたゆたう空気だとか、語り手ができるだけ優しく話しかける声色だとか、回転寿司にほんの少し浮き立つ心だとかは、なんとなくわかる。複雑な感情が行間に重ねられている。醤油皿にまるく並べられた海老のしっぽを想像して、ちょっとだけおかしい。