POOLS
Steam版"POOLS"をプレイ。
"POOLS"は、ちょっとした迷路っぽい構造になっている、プール施設っぽいところを歩き回るゲーム。
ほぼ移動しかできないので、ウォーキングシミュレーターの一種と考えていい。
宣伝文句にもあるように、このゲームでは幽霊やモンスターに襲われたりすることはないし、あからさまなホラー要素もない。
ただ、暗い中を歩いたり、いかにも何か出てきそうなロッカーのそばを歩いたりするといった、いかにも何か出てきそうなシチュエーションを体験することに若干のホラー要素はある。
公式の宣伝文句によると、音が重要とあったので、ヘッドホンを付けてプレイしてみたが、言うほど音にこだわりがあるようには感じられなかった。
特定の場所で、たまに変なうめき声や、ささやき声みたいなのが聞こえてきたりすることがあるが、こういうしょうもないホラー要素は必要なかった気がする。
本作にはデモ版があり、6つあるステージのうちの1つをプレイ可能。デモ版をプレイして気に入ったなら、プレイする価値はあると思う。
問題は、デモ版がイマイチだった人。デモ版でプレイできる範囲だとピンと来なかったけど、製品版だともっと面白いの? という疑問に対する答えは、あんまり面白くなるわけではない、と、答えるしかない。
製品版はデモ版よりも少しシチュエーションが増えるが、結局のところ大差はない。だいたいデモ版と同じようなことを6ステージとも繰り返すだけなので、デモ版がいまいちだった人は、買わないほうがいいんじゃないかなと思う。
ただ、定価でも1250円なので、失敗してもそんなに損するわけでもないとも言える。
このゲームの何が物足りないかというと、プレイヤーが寄り道したことに対して報酬がほとんどないことだと思う。
このゲームには、明らかに行っても無駄な分岐がある。どう見ても行き止まりな通路や、どう見ても落ちて死にそうな落とし穴。あと、やたらといろんなところに座れるベンチがある。
そういう、明らかに無駄なところにプレイヤーが寄り道しても、9割方何もない。
一部、変なうめき声やささやき声が聞こえたり、実績が解除されたりといったイベントが起きる場合があるが、たいがいは行くだけ無駄、座るだけ無駄。
そうするとプレイヤーは、「どうせ寄り道したって何もないし、何も起きないんだから、さっさと正解のルートを辿ってクリアしよう」と思ってしまう。ゲームに積極的に関わろうという意欲をなくす。
特に、歩くこと以外に何もできないウォーキングシミュレーターでは、プレイヤーの寄り道に対して報酬を出すことは非常に重要になる。それがなかったら、本当にただスタートからゴールまで歩くだけのゲームになってしまうからである。
このゲームは、その点が明らかに物足りない。寄り道したくなるような要素がほとんどない。
レベルデザインにストーリー性がないのも気になる。
このゲームで歩き回るプール施設は、ただ無秩序にいろんなエリアがつぎはぎされているだけで、そこに一貫した意図が感じられない。ただ混沌としているだけで、誰が何のために建てたのかなど、想像する余地がない。
そのために、歩いていても楽しくない。たまにあるオブジェや絵画などを見て、「これは何を意味しているんだろう」と考える楽しさがない。考えるだけ無駄な雰囲気がビンビンに漂っており、「どうせ無意味に適当に飾ってるだけだろ」としか思えないからである。
開発者としては何か意図があってそこに配置しているのかもしれないが、それはプレイヤーに伝わって来ない。少なくとも私には、ランダムに配置しているようにしか感じられなかった。
このゲームで一番のイベントはウォータースライダーだと思うが、本作に登場するウォータースライダーは円筒形で外が見えないので、滑っても何がなんだかよくわからない。半円形なら、外が見えるからスピードを感じられて、もっと楽しかったと思うのだが。残念。
あと、ウォータースライダーに乗れる機会は意外と少ない。デモ版やデモムービーから、プールの遊具でいっぱい遊べることを期待している人は、がっかりすることになるので、過剰な期待はしないように。
開発者によると、このゲームは売れたら今後、アップデートを追加していくということなので、現状は事実上のアーリーアクセス版という位置付けなのかもしれない。
今のところイマイチだが、今後アップデートで改善される可能性はある。
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