Endling - Extinction is Forever
Amazom Gamesにて"Endling - Extinction is Forever"をプレイ。
母キツネとなって、子供を守りながらサバイバルする、ほぼ横スクロールのアクションゲーム。
主に人間のせいで刻々と変化する森の中で、ウサギとかを捕まえて子キツネに与えたり、襲ってくる人間から逃げたりしながらサバイバルする。
難度は低めだが、エサを探したり、人間を回避しながら隠れ家に戻ったりするのに多少頭を使う。アクション操作は難しくない。
プレイヤーは、夜に行動し、明け方までにはアジトに帰る必要がある。
この時間制限は結構シビアだが、超過して夜が明けてしまっても、特にペナルティはないっぽい。
私は何度かすっかり朝になってもアジトに帰れずうろうろしていたが、それでゲームオーバーになったりはしなかった。
あんまり長いことうろついていたらダメなのかもしれないが。
このゲームにおけるキツネの食物連鎖の地位は高めで、襲ってくるのはフクロウと人間くらいしかいない。
ウサギやネズミなどを狩って子キツネに与えつつ、フクロウや人間はスニークで回避する。
人間は、中には友好的だったり、敵対してこないのもいるが、たいがいはキツネに親でも殺されたのかと思うくらい襲ってくる。
あと、あいつらは木を切ったりゴミを捨てたりメルトダウンを起こしたりして環境破壊しまくり、それによってキツネの生活環境も日を追うごとに悪化するので、そういう意味でも厄介な連中である。すんごい迷惑。
もっとも、人間どもの捨てるハンバーガーとか肉詰めとかは高カロリーでうまい。
このゲームの特徴は、子キツネを育てながらサバイバルしなければならない、ということだが、子キツネは意外と足手まといにならない。
子キツネはトラバサミなどのトラップには引っかからないし、銃を撃ってくる人間はプレイヤーだけを狙い、子キツネを無視する。
また、ダッシュして置いてけぼりにしても、子キツネ達は遅れながらもちゃんと付いてくる。子キツネが上り下りできないような地形を挟んだ場合のみ、付いてこられなくなり、迷子扱いとなる。この場合、子キツネは、はぐれた場所で待機しているので、戻れば再会可能。
私はプレイ中に子キツネが死ななかったので、死亡する条件ははっきりとはわからない。
ただ、餓死、迷子になった子キツネを放置、イベントで助けない、フクロウに襲われた時に助けなかった場合に死亡するだろうことは推測できる。
エサが見つからない場合に餓死させる可能性はありえるが、それ以外では、わざと見殺しにしない限りはまず死なないだろう。
プレイヤーの母キツネが死亡した場合はセーブポイントからやり直しになるが、子キツネが死亡した場合はそのままゲーム続行となるようである。子キツネが全滅すればゲームオーバーなのだとか。
プレイボリュームは5時間くらい。もしかするとプレイ中の行動によってエンディングが変化するかもしれないが、基本的には一本道で、リプレイ性はないと考えていいだろう。
本作は明らかに、環境破壊して動植物を絶滅させる人間へのお説教的な意味合いの強いゲームとなっている。
この手のメッセージ性が露骨なのは、私の趣味ではない。人間がクソなのはもうわかり切っていることだからである。改めて「人間ってクソですよね」と言われても「はあ、そうですよね。知ってます」としか言いようがない。
じゃあ、子キツネを守る母キツネが人間と比べて尊いのかというと、そうではないだろう。
人間が環境破壊するのは欲のためでもあるが、家族や生活を守るためでもある。動機はキツネと大差ない。
キツネも人間と同じくらい愚かだから、天敵がいなくて繁殖しすぎると、エサを取り尽くして食糧不足に陥り、全滅する。
もし人間が愚かだとすれば、その愚かさは地球の生命体に共通する愚かさである。私達は繁栄を抑制することができない。行くところまで行くしかないのである。
お説教ゲームがお説教したら、人間が繁栄を抑制できるのであれば苦労はない。それができないから困っているのである。
総評は、お手軽に緊張感のあるキツネサバイバル生活を楽しめるゲームとしては、あり。
かなりあっさりしているので、さっとプレイしたい人には向いているが、どっぷり浸かりたい人向けではない。
環境破壊を訴えるお説教としては浅い内容だと思う。人間は悪で、自然は尊いというステレオタイプな主張は、少々浅はかだと思う。
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以下はネタバレあり。
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もしかしたらエンディングが分岐するかもしれない、と書いたのは、アナグマを助けなかった場合のことである。
アナグマを罠から出さなかった場合、終盤の展開に変化があるかもしれない。
もともと後味が良くないエンディングが、さらにバッドエンドになるのは目に見えているので、わざわざ試したいとは思わないが。
このゲームは結局のところ、さらわれた子キツネを探すのが主目的っぽく見える作りになっている。
イベントらしいイベントが、その絡みしかない。あとはエサを探してうろうろしたり、子キツネにスキルを習得させたりするくらい。
ただ、さらわれた小キツネを探すのは任意なので、無視することもできるはずである。
その場合どうなるかはわからないが、新しいアジトを見つけるトリガーは、子キツネの捜索辛味なので、もしかすると、あのイベントをちゃんとこなしていかなかった場合、アジトを失ってゲームオーバーになるのかもしれない。
日数が経つと、かつて使えたアジトが使えなくなるが、あれが一種の時間制限になっている可能性はある。それまでに一定の捜索イベントを終えていないといけないとか。
もちろん、試す気はない。なんで苦労してまでより悪い展開を見なきゃならんのか。ただでさえ後味が良くないゲームなのに。
キツネがアナグマを助けて、アナグマが恩返しするという展開は面白いが、人間的だなとも思う。
自然界でも稀にこういうことはあるが、それは相当余裕がないとできない。
動物園のワニが、溺れているカラスを助けたりすることがあるが、こういうのは、ワニが充分にエサをもらい、敵に襲われることもなくヌルい生活を送っているからこそである。
そして、そうした人間的優しさを支えているのは、環境破壊して手に入れた裕福さなのである。
その辺、開発者はどう考えているのかなと思う。
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