Terraformers

 Amazon Gamesにて"Terraformers"をプレイ。


 本作は、火星開拓をテーマにした、1人用ボードゲームとなっている。


 ゲームルールは一見複雑だが、覚えれば簡単。チュートリアルをやっている時は、最初何がなんだかよくわからないが、そのうちだんだんわかるようになる。



 ゲームの仕様はボードゲームに近い。


 まず、ゲーム開始時に、指導者と開拓の方針を決める。

 指導者はランダムに選ばれた2人から1人を、方針はランダムに選ばれた3つから1つ選択。


 そして、毎ターン開始時にカードを引き、手持ちのカードからコストを消費して場に出すことで、施設を建設したり、プロジェクトを進めたりする。


 たとえば、都市に居住モジュールを建設すれば人口を+1できるが、それを都市に建設するには居住モジュールカードと食料30が必要になる。


 指導者は10ターン毎に引退し、次の指導者を選ぶことになる。


 本作には支持ポイントというのがあり、これが0になるとゲームオーバー。

 支持ポイントは、開拓を進めたり、住民の生活が快適になると上がり、住民の快適性が損なわれたりしたら下がる。


 そして、規定の勝利条件を満たすとクリアとなる。ゲームの勝利条件は、ゲームモードによって異なる。



 クリアしてもゲームオーバーになっても、ゲームが終了すると、成績に応じてポイントが貰える。

 ポイントが溜まると統制力が上がる。レベルみたいなもの。


 統制力が上がると、新しいカードや指導者がアンロックしたり、より難しい難度に挑戦できるようになる。



 本作の火星開拓における最大の障害は、期待度。

 期待度は、ターンが経過する際にランダムで上がることがある。この期待度の分だけ、毎ターン支持が下がる。


 期待度の上がり幅の基準値は、難度によって変わる。最低難度だと1、最高難度だと14。


 厄介なのは、この期待度は、上がる度に効果が加算されること。

 たとえば最高難度の基準点は14なのだが、まず、1回目の期待度上昇では基準点そのまま、14が加算される。期待度の初期値は0なので、1回目の上昇では期待度は14になる。


 2回目の上昇では、前回の上昇値に、さらに基準点が加算される。つまり14+14=+28。期待度は14+28=42に。


 3回目は28+14=+42で、期待度は42+42=84。

 4回目は42+14=+56で、期待度は84+56=140。


 支持上昇効果のある施設は、せいぜいひとつあたり+10できる程度の効果しかない。なのにこの上がり幅はヤバすぎる。


 しかも、この期待度が上がるのがランダムだというのがさらにヤバい。10ターン以上上がらないこともあれば、2ターンで上がることもある。

 これほど重要な影響を与える大事なパラメーターをランダムで気軽に上げないでほしいもんである。


 おかげで本作は、高難度になると運ゲーになる。どんなに最善を尽くしても、終盤に短いスパンで期待度が+100とか+200とかされたら絶対もたない。

 逆に、終盤で長いこと期待度が上がらなかった場合はかなり楽にクリアできる。


 運が悪くてもなんとかなるのは、難度インセインくらいまでだと思う(期待度基準値10)。それ以上になると、運がいい時は結構簡単にクリアできるが、ダメな時は本当にどうにもならない。



 ゲームの性質上、本作ではテラフォーミングが中途半端な状態でゲームが終了する。

 ゲームクリア後に開発をそのまま続けることは可能で、それで最後まで火星を発展させきることは可能。


 ただ、クリア後のプレイは統制力ポイントにならないから、全てのカードや指導者をアンロックするまでは、次々に新しいゲームをプレイした方がいいだろう。



 総評は、難度が高くなると運要素が強めになるのが気になるが、それは高難度でやらなければいいだけ。

 ほどほどの時間で火星開拓の雰囲気を楽しめる1人ボードゲームで、総合的にはそう悪くないゲームである。




 一応、攻略情報について。



 このゲームでは運要素が強いので、プレイヤーがやりたいことが常に思い通りになるわけではないが、だいたいの方針はある。



 序盤では、コストの高いカードは引かないほうがいい。どうせ使えない。

 低コストで資源が増えるものがおすすめ。


 特に序盤の居住地モジュールは罠カード。こんな高コストなカードを序盤に使っている場合ではない。


 序盤は、できるだけロボットを使いたい。ロボットはチタン6、電力6で2体出せる。つまり、人間の5倍もコストが安い。

 人口を増やすのは、食料が余るようになってきてからのほうがいい。


 とはいえ、わかっていても、ロボットハブカードが出ないとロボットは出せないし、電力やチタンを安定的に生産できるかも、地形とカード次第なところがある。


 結局、高難度でクリアできるかどうかは、ロボットがコンスタントに出せるかにかかっているところがある気がする。



 序盤に重視するべき資源は、電力、チタン、食料、水。



 電力は何をするにも必要になる。特に、探索で消費する点に注意。

 探索さえできれば足りない資源を補いやすいが、逆に電力不足で探索ができなくなると、高難度だとだいたい詰む。


 電力は初期に50くらいあるので、なんとなく後回しにしがちだが、最優先で生産を開始したほうがいい。

 発電所のカードは出次第取り、早々に建てる。


 ソーラーパネルは高地に設置すると追加で電力が得られるので、カードが出た時すぐ設置できるよう、高地は抑えておきたい。



 そして、チタンも大事。チタンはロボットを出すのに必要だし、採掘場を建設するにも必要。

 チタンがないと他の資源も増やせない場合が多い。

 早い段階で少なくとも+1は生産できるようにしておきたい。



 食料と水は、新しい都市を建設するのに必要。


 序盤は、探査していると食料10が追加でもらえることが多いので、それに頼っていてもいいが、できれば早めに農場を作って、食料を大量生産できる体制を整えたい。

 農場を囲うように土壌工場を建てれば生産力が大幅に上がるので、初めからそのつもりでレイアウトを考えたほうがいい。農場x3と土壌工場で+6を目指す。



 水も大量に必要になる資源のひとつ。序盤はさほどでもないが、だんだん必要量が増えてくる。

 水の採掘はできるだけ早めに体制を整えたほうがいい。

 ただ、マップ運が悪いとなかなか水が手に入らないこともある。




 各モードで一番難しいのは、緑の道だと思う。

 生命を繁殖させるにはテラフォーミングが必要になり、そのためには地盤固めが必要になるから、結局、生命に特化してプレイできない。


 しかも、このモードでやっていると、早期に動物の研究が来ることが多いが、これがすごく邪魔。

 だいたい動物なんて終盤にならないと繁殖させられないのに、なんで序盤に来るかね。


 後々のことを考えると、生物系の指導者を選んで固有スキルで動植物の種類を増やしておきたいが、そうすると都市の運営が厳しくなる。とにかく厳しいことばかりである。



 拡張政策は、一番最後に出てくる割には結構簡単。このゲームを普通にプレイしていたらだいたい拡張路線になるし、このモードだと鉄道駅が出てきやすくなっているらしくて、他のモードよりむしろ楽に感じる。



[追記]

 なんとか難度インポッシブルでひととおりクリアできた。

 やはり運要素も多分にあるが、ある程度攻略手順もわかってきた。


 まず、序盤では気温を上げることを重視したい。大気と酸素は比較的上げやすいが、気温は上げる手段が少ないため、最優先で上げる手段を講じる。

 一番簡単なのは、細菌のメタノジニウムを繁殖させること。これで毎ターン+1される。あとは二酸化炭素工場が出たら、建てておく。

 大気と酸素も、早めに少なくとも+1にはしておきたい。これも、藍藻植物などの細菌系で確保するのが簡単。


 というわけで、細菌拡散装置は、早期に建てたい。可能なら2つ。そのために、科学は早めに+1にはしたいところ。

 科学は使い途が多くて迷うが、細菌拡散装置は最優先で回したい。特にメタノジニウムが出せる状態なら1ターンでも早い方がいい。

 あとは、火山があるなら噴火させておく。


 海水は、よほど急いでいない限りは、宇宙プロジェクトで他の星から持ってきたほうがいい。帯水層を壊すと水の確保が難しくなることがある。

 植物は結局、気温が上がらないと繁殖させにくいので、そこまで急いで雨量を確保する必要はないと思う。


 交易ルートも優先的に確保する。交易ルートが発達していると、宇宙プロジェクトを素早く完了できるし、資源が足りない時に潰しも効く。

 とりあえずはランディングパッドをひとつ建てて+2にしておき、宇宙プロジェクトが出始めたら、特に優先して交易ルートを増やしていく。



 とにかく、序盤に細菌で酸素、大気、気温が自動的に上がる体制を作れたら、後々意外と楽になることがわかった。植物が出しやすくなるし、支持も下がりにくくなる。

 一見、細菌繁殖装置は序盤に建てるのが億劫になるコストの重い施設だが、再利用できるので実は効率が良かったりする。

 ただし、その恩恵に与るには、早めに建てることが必要。中盤に建てると、再使用する前にゲームが終わっていることも。


 +1なんて本当に意味があるのかと思えるが、これが結構効果的で、最も厳しい40~50ターンあたりで、次々とテラフォーミングボーナスが得られるのが大きい。

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