Farming Simulator 19

 EPIC Gamesにて"Farming Simulator 19"が期間限定で無料配信していたのでプレイ。

 その名の通り農場経営をシミュレートしたゲームで、土地を買い、畑を耕し、種を植えて、肥料を蒔き、雑草を取り、収穫し、輸送して販売する。農業の他に畜産と林業もできる。

 "19"というのは年式で、2019年発売版ということ。現在の最新版は"22"である。



 農業は、本作ではすべて機械による作業となる。鋤鍬を使って自分で耕したりはしない。

 また、品種改良などの要素はなし。肥料や雑草抜きをすることで収穫量を増やせるが、収穫物の品質そのものは均一となっている。


 基本的には適切な機材を使って畑の上を往復すればいいだけなので、なにが適切な機材かさえわかっていれば、そこまで難しくない。

 問題は、機材がめちゃくちゃ多いこと。何が適切なのか理解するのにしばらくかかる。


 小麦、大麦、オーツ麦、キャノーラ、大豆は、すべて共通の機材で対応できる。単に経営のことだけを考えるなら、通常はこれらを扱うだけで充分。


 トウモロコシとヒマワリの収穫には専用のカッターが必要となる。また、トウモロコシを植えた後はすきこみが必要になる。トウモロコシは利率が低いので、畜産業で利用するのでないかぎり育てる意味はない。

 ヒマワリはそこそこ高額で売れるが、大豆やキャノーラと大差ないため、収益のことだけ考えるなら、わざわざ育てる理由はない。ただ、専用のカッターさえあれば扱えるので、難度は低め。


 ジャガイモやコットン、サトウキビなどは専用の機材が必要になり、特殊な工程も増えて手間。そのわりに儲かるわけでもない。趣味の領域。


 ハツカダイコンは育てても売ることができない。間作物として植わったまま耕して潰し、肥料にするのが目的。肥料を撒く機材が買えないなどの理由がない限り、やる意味は特にない。有機肥料にこだわっても収穫物の品質が上がったりはしない。


 小麦や芝を刈ったあと、それらを集めてベール化することで、売ったり、畜産業に流用したりできるが、これも結構面倒くさい。そして売却額は投資や労力に見合っていない。


 収穫した農産物は輸送して売りに行くことになるが、売れる場所は複数あり、それぞれ売却額が異なる。

 売却額は時間で変動し、基本的にはたくさん売ると需要が下がって売却額も下落する。そのため、同じ作物ばかり作るのは考えものである。



 畜産業はさらに大変。藁やエサや水を用意するだけでも大変で、毎日の世話も必要。そのくせ大して儲からない。

 家畜はそれぞれ必要なエサなどが異なるので、複数の家畜を飼うと恐ろしく手間数が膨らむ。そしてそのエサを農業で生産しようとすると、多数の畑の管理も必要になる。それはもう大変なことに。

 利益だけ考えるなら、馬を専門に育てるのが得策。



 林業は、やることはシンプル。木を切ってクレーンでトレーラーに積んで売ればいい。木はチェーンソーで切ることもできるし、機材を使うこともできる。そして、結構利率もいい。

 ただ、クレーンの扱いが難しい。慣れるまでは丸太を1本トレーラーに乗せるだけで膨大な時間がかかる。



 結局のところ、このゲームで効率がいいのは、ひたすらキャノーラや大豆を育てて売ることだったりする。そればかりだと単調だから他の仕事にも着手したくなってくるわけだが、一度手を出すと想像以上に大量の機材と手間がかかり、そのわりに儲けはイマイチで、だいたい気軽に手を出したことを後悔する。しかし、もう投資してしまった後ではやめようがない。そうして泥沼化していく。そんなゲームである。



 本作をプレイする上で難関となるのは、最初、どうすればいいかわかりづらいこと。一応チュートリアルがあるが、チュートリアルの段階で何をやっていいかわからないこともしばしばある。

 また、初心者向けチュートリアルが付くのはラベンポートというマップなのだが、このラベンポートは起伏が激しく、明らかに初心者向きの地形ではない。


 というわけで、どうすれば比較的楽にこのゲームに馴染めるかをざっと書いておく。



 まず、初めてプレイするなら、モードは「農場マネージャー」、マップはフェルスブランを選んだ方がいい。

「新人農家」は最初から土地と機材を持っているが、用意されている機材は安物すぎて作業効率がめちゃくちゃ悪く、おそらくプレイした人の多くはうんざりして二度とこのゲームをプレイしないだろう。

 初めてプレイするなら、機材は最初からそこそこいいものを使ったほうがいい。


「農場マネージャー」から始めると、資金はあるものの何も持っていない状態で始まる。


 始まったらまずはゲーム設定を開き、経済難易度イージー、トラフィック、泥、作物枯れ、作物破滅、定期すきこみ、ライムが必要、雑草、オートセーブのインターバルをオフ、作物の成長度を速いにする。

 ヘルパー関連も、将来的にはオフにしておいたほうがいい。最序盤はヘルパーが勝手に必要なものを補充してくれるのは楽だが、この自動補充をオンにしているとコストが余計にかかる。


 なお、本作でのセーブの仕方は、ヘルプ画面でセーブボタンを押して行う。間違ったボタンを押すとセーブせずにゲームから離脱してしまうので注意。機材を購入する前や、新しいことをやる前には必ずセーブしておき、何かトラブルが起きたら撒き戻せるようにしておいた方がいい。

 とりあえず初期設定が完了したら、確認の意味も込めて、ここでセーブの仕方も確認しておくといいだろう。


 次にマップを開き、土地モード(キーボードだとX)にして、31番の畑のある土地を買う。ショップの隣で非常に便利な立地。

 31番にはすでに小麦が植えられており、まず収穫する必要がある。


 メニューで車両→収穫機で収穫機(コンバイン)を買う。このゲームでは、ほとんどの場面では「コンバイン」と書かれているのに、購入画面でだけ「収穫機」と書かれている。紛らわしい。ともかく収穫機のMF Activa 7347 Sを買う。別に他のでもいいが、あまり性能の低い機材を使うと死ぬほど時間がかかるし、高性能な機材はでかすぎて取り回しが難しい。まずはこのくらいのコンバインを使うほうがいいと思う。

 次に、アタッチメント→カッターでFreeFlow 25FTを買う。これはコンバインによって対応するカッターが異なるので、もし別のコンバインを買った場合は、ちゃんと合うやつを買うこと。


 買った機材はショップに出現するので、歩いてショップに行くか、車ワープ(コントローラーだと十字キーの左右)してコンバインに乗る。そして前からカッターに近づいて、カッターを装着する。


 コンバインに乗って畑31に行く。一旦コンバインから下りて畑31の小麦の様子を確認し、「成長中」と書かれていたらしばらく待って、「収穫可能」になるのを待つ。

 収穫可能になったら、コンバインの稼働させて小麦を収穫する。

 手順は、まずはコンバインを展開し、それからアタッチメント切り替え(XboxコントローラーだとY)を行い、カッターを稼働させればOK。展開前にカッターを稼働させようとすると、先にコンバインを展開しろと言われる。

 コンバインの展開なんてコマンドないんだけど、という場合は、カッターが選択されている状態になっている。アタッチメント切り替えボタンでコンバインに切り替えれば出てくるようになるはず。

 なお、天候が悪いと収穫作業はできないので注意。その場合は晴れるまで待つ必要がある。


 途中でコンバインの容量が満タンになって収穫できなくなると思うので、そうしたらとりあえずサイロを建てる。

 配置用オブジェクト→サイロ→穀物サイロを選び、適当な場所に設置する。サイロは普通のでも(大)でもいい。

 サイロは、地面に鉄格子のあるところから穀物を投入し、その裏側にあるノズルみたいなのから取り出す。なので、鉄格子が畑側に、ノズルが道路側にあるように設置したほうが後々便利だと思う。


 サイロを設置したら、コンバインのパイプを出して、サイロの地面の鉄格子みたいなのにパイプの位置を合わせると、自動的に収穫物をサイロに投入し、保管する。


 収穫が終わったら、それを輸送して売りに行く手段が必要になる。そのためにはトレーラーと、それを牽引するトラクターが必要。

 おすすめは、トラクター(大)のOptum Series(270 CVX)と、トレーラーはSEK 802をカスタマイズで容量12000にしたもの。

 トラクターはもっと安物でも問題なく稼働するが、このトラクターを買っておけば農作業でずっと使い続けられる。

 トレーラーは、大きいものは容量もでかいが操作が難しくなる。最初は取り回しのいいSEK 802で充分。


 次に、畑を耕して種を撒き、肥料をやる必要がある。このための機材はいくつかあるが、最初に扱うならシーダーのPronto 9 DCがおすすめ。これ1台で畑を耕し、種を撒き、肥料を散布してくれる。めちゃくちゃ便利。

 これを扱うにはトラクターの馬力が199kw必要。そのためにさきほどOptum 270 CVXを購入しておいたわけである。


 Pronto 9 DCを買ったら、種と肥料を補充する。種はオブジェクト→大きな袋→種袋(大)、肥料はその隣のしっかりした肥料袋(大)を購入。パレットの方にある肥料は液体肥料で、Pronto 9 DCは対応していないので注意。

 種は全種共通で、トラクターに乗っている時にボタンを押してどの種を植えるか選択できる。とりあえず高額な大豆かキャノーラを植えるといい。

 種と肥料を補充したら、畑を耕し、種を植え、肥料を撒く。この作業は、本来ならそれぞれ別の機材を使って畑を往復しなければならないが、Pronto 9 DCなら全部1発でやってくれる。すごく便利。


 時間が経過し(設定で時間を早めればすぐ)、植えた種が芽を出したら、2回目の肥料散布を行う。

 肥料は2回連続で撒いても効果がなく、最初は種の状態、2回目は芽が出てから撒く必要がある。1回目はPronto 9 DCが種を植える時に同時にやってくれているはずで、肥料は50%となっているはずである。

 2回目の散布はシーダーではできないので、専用の機材を新たに買うことになる。アタッチメント→飼料の技術からK105、カスタマイズで6m散布ユニットを付けて購入。買ったら肥料も補充しておく。

 やればわかるが、肥料の散布はめちゃくちゃ簡単。散布範囲が広いのであっという間に終わる。


 このゲームでは「契約」というシステムがあり、要するに近所の農家の手伝いをして報酬をもらうシステムがあるが、やるならおすすめは肥料の散布である。

「契約」では、種と肥料は自前で用意する必要があり、機材をレンタルした場合、購入した種や肥料をレンタルした機材に入れたまま完了すると全部持っていかれてしまい、損になる。なので、種蒔きや肥料の散布の契約をする際は自前の機材を使ったほうがいい。

 そして今、K105を購入したことで、肥料やりの契約はやり放題となったわけである。肥料の購入費を差し引いても、かなり割のいいバイトなので、暇があるならどんどんやっておくといい。


 他の契約については、慎重に検討したほうがいい。持っていない機材が必要な場合はレンタルしなければならないが、その機材が安物だった場合、契約完了までに想像以上に時間がかかることがある。できれば信用できる機材を自前で用意できる契約に絞ったほうがいいだろう。

 なお、収穫から販売までを手伝う仕事の場合、規定以上に収穫した分は自分のものになり、追加報酬が得られる。いいコンバインを持っている、あるいはレンタルできて素早く片付けられるようなら、やっても損はない。

 契約時には、畑の面積と、レンタルする場合はコンバインの性能に特に注意。うかつに契約を取ると、完了までに地獄を見ることになる。



 これで、畑を耕すところから収穫、輸送、販売までを一通りこなせる最低限の環境が整った。


 なお、「農場マネージャー」モードだと、初期の資金の一部はローンで借りている状態になっている。なので、余裕があるなら返却するのを忘れずに。借りたままだと延々と利子を取られる。



[攻略情報]

 林業でクレーン操作がやりづらい場合、持てるサイズに切ってトレーラーに放り込んで運ぶ手もある。切るのが面倒だがこの方が操作は簡単。

 林業関連の機材はアタッチメント→林業機械にある。これらはトラクターにくっつけて使うもので、林業専用の機材よりも使いやすい。ただ、クレーンに関しては車両の方の専用機材のほうがいいとは思う。


 パレットは平台トレーラーで運ぶ。SEK802をベールトレーダーワゴンにするのが一番簡単で安い。荷物を乗せてから荷物に近づくと、ベルトで固定できるようになるので、固定すればずり落ちなくなる。

 ただ、こうした平台トレーラーで羊のウールを運んだ場合、荷下ろししないと売却できないという問題がある。結局パレットフォークの使える機材が必要になるので、いっそその都度テレハンドラー+パレットフォークで運んだほうが早くないか? とも思える。

 そうしたこともあり、もし羊を飼うなら紡績工場の近くがおすすめ。


 新しく畑を作るのはプラウでのみできる。が、プラウはめちゃくちゃ扱いにくい。

 プラウでざっくり畑を作ってから、造園の塗装で整形するのがおすすめ。

 本来、畑を元に戻すのはアタッチメント→その他にあるローラーを使うが、このローラーがまた使いにくいので、造園を使ったほうが楽である。

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