RAGE 2[2023.11.07 更新]

 Amazon Prime会員特典で"RAGE 2"が配布されていたのでプレイ。


 プレイしていて、なんか"Just Cause"っぽいなと思っていたら、今作はAvalanche Studiosが開発に関わっていることを知った。というわけで、記事をそれに合わせて書き直すことにした。



 "RAGE 2"は、"Just Cause"シリーズを開発したAvalanche Studiosと、"DOOM"などを開発したid softwareによる、"Borderlands"っぽい雰囲気の"Just Cause"なゲーム。


 前作はid softwareが開発したゲームで、雰囲気は"Borderlands"だが中身はクラシックなFPS、といった感じのゲームだった。

 若干RPG要素があったものの、それは本当にオマケ程度。

 FPS部分は結構面白かったが、あまりにも内容が薄く、あっという間に終わってしまうため、定価(8000円くらい)で買った人にとっては超ぼったくりゲーだった。確か初見でも6時間くらいで終わったっけか。そろそろ中盤か? と思ったらもうラストダンジョンだったという。


 私はXbox360版を発売日に2割引くらいで買ったので、被害者の一人である。ただ、2日でクリアして即売ったので、差し引き2500円くらいの出費で済んだ。


 その後、Steam版をDLC付きで600円くらいで買い直し、もうちょっとじっくりプレイした。この値段ならさすがに文句はない。ゲーム自体はちゃんとしているし、問題なく遊べる。唯一にして致命的な問題だったのは、8000円にしてはボリューム少なすぎ、ということだったので、600円なら全く問題ない。



 "RAGE 2"は発売前から注目はしていたが、前科があったことから、発売日に買おうとは思わなかった。ウィッシュリストに入れるだけ入れて、しばらく様子を見ていたが、Steamのレビューではかなり評判が悪かったので、結局購入しなかった。


 投資に見合うかが不透明だったから買わなかっただけで、プレイはしてみたかったゲームだったので、Amazon Prime会員特典でプレイできるようになったのは有り難かった。



 本作は、全体的な雰囲気は"Borderlands"。これは前作と同じ。イカレたモヒカンチンピラがヒャッハーしている世界観で、そのチンピラを適当に殺してお宝を奪い、奪ったもので武器や自身を強化していくゲームとなっている。


 ただ、今作はAvalanche Studiosの影響が強いらしく、ゲームシステムはかなり"Just Cause"に近くなっている。


 マップはそこそこ広大に。味方の勢力が3つあり、特定の行動を取ることで、それぞれの勢力の力が増していく。すると、その勢力固有のスキルなどを獲得できるようになる、という仕組みになっている。


 その、各勢力の力を増すための条件の大半は、フィールドに点在するチンピラのアジトを襲撃すること。"Just Cause"シリーズをプレイしたことがある人ならおなじみのシステムである。まんまアレだと思っていい。


 チンピラのアジトは何パターンかあるが、基本的にはどこも同じ。最初は面白いが、同じようなアジトをいくつも襲撃することになるので、だんだんマンネリ化してくる。


 あと、アジトには宝箱的なのがいくつかあり、これを見つけて中身をかっさらうのが襲撃の主目的のひとつとなるのだが、探すのが面倒くさい。これも"Just Cause"と似ている。"Just Cause"も、アンテナやタンクなどの破壊目標がどこにあるのかわかりづらくて、延々同じところをぐるぐる探索させられることになりがちだが、同じ欠点を本作も抱えている。


 ある程度進めると、目標物を透視したり、目標物までの距離を大雑把に教えてくれるスキルを獲得できるようになるが、それを使ってもなお、目標物の在り処は見つけづらい。

 そのため、たたでさえ単調なアジト襲撃が、さらに単調な宝箱探しで時間を食うことになる。



 幸い、"Just Cause"と同じで、クリアすることだけを考えるなら、アジトは必ずしも全部潰す必要はない。クリアするのに必要な壊滅数はそれほど多くない。


 ただ、最小限のアジトしか壊滅させない場合、このゲームはあっという間に終わってしまう。たぶん10時間かからない。オープンワールドなのに10時間もかからず終わっちゃうゲームってどうよ。

 かといって、じっくり遊んでもそんなに面白くない。似たようなアジトを襲撃する以外にやることがないからである。



 前作は、戦闘がややシビア目に調整されていた。弾薬に限りがあり、その制限が結構厳しかったため、できるだけ無駄弾を撃たずに進める必要があった。

 また、敵の攻撃が痛かったため、ちゃんと遮蔽物に隠れて撃ち合いながらクリアリングしていく必要があった。


 一方、今作は、前作とは打って変わって、超トリガーハッピーな仕様となっている。とにかくガンガン撃ちまくってガンガン敵を殺しまくるのが正義。

 遮蔽物越しの撃ち合いをしてもいいが、敵を倒すと回復アイテムを落とすので、ショットガンなどの近接武器で接近戦を挑み、敵を殺しまくりながら回復アイテムを取って回復する、という特攻スタイルのほうが有利なバランスになっている。


 主人公は最初は弱っちいが、強化していくと体力と火力1.5倍、受けるダメージ半減になり、こうなると無謀な特攻を仕掛けてもそうそう死ななくなる。


 一部の敵は弱点を狙わないとダメージが与えられないなど、頭を使う必要があるが、基本的には何も考えずに撃ちまくればなんとかなるゲームバランスとなっている。


 また、今作は、ゲームを進めるに従い、ダッシュや二段ジャンプ、物体や敵の引き寄せ、一定時間自身を強化できるなどの特殊能力を使用できるようになる。

 こうした能力は別に使わなくてもクリアできるが、使ったほうが面白い戦い方ができる。


 トリガーハッピー仕様と、特殊能力による爽快なアクションで、戦闘は結構楽しい。



 ストーリーは……前作からお察しの通り。

 前作より"Borderlands"っぽくなり、要するに馬鹿っぽくなった。それはいいのだが、例によって、盛り上がる前にあっという間に終わる。思わせぶりに出てきた悪役はあっという間に退場し、あっという間にエンディング。伏線とかなんとか、そんなのはない。良くも悪くもお馬鹿な内容。

 前作もストーリーについては壊滅的で、「そろそろ盛り上がってくるのか?」と思ったあたりで終わるという感じだったが、今作はそれより酷い。本当に内容なんか全くないに等しい。思わせぶりなところすらない。とにかく悪役が出てきて、悪役のアジトにカチコミするための準備をして、カチコミして、ぶっ殺して、終わり。

 というわけで、ストーリーには期待しない方がいい。まあ、前作からのプレーヤーならもとより期待していないと思うが。


 一応、前作から続投しているキャラが結構いるから、前作ファンは懐かしい気持ちになれるかもしれない。

 前作では17歳だったルーサム・ヘイガーが47歳で登場しているから、本作は前作の30年後の世界、ということになる。


 なお、前作は、洋ゲーでは珍しいくらい美少女キャラが登場することで有名だったが、今作はポリコレのせいか、そんなのはいないので期待しないように。代わりにキモいおばちゃんが色気を出している。誰得よ。



 総評は、トリガーハッピーな戦闘や、ちまちました探索と果てしない拠点潰し、あるいは"Just Cause"が好きな人なら、2000円以下で買えれば満足できるゲームだと思う。さすがに定価で買うのは勧められない。

 オープンワールドを活かしきれていない、物量だけはある単調なアジト襲撃+探索要素と、それを省いたらほとんど何も残らない中身の薄さは問題だが、戦闘は文句なく楽しい。いろいろ不満はあっても、モヒカンチンピラを殺しまくればまあまあ満足できる。そんなゲームである。


 ネタバレコーナーはなし。ストーリーはめちゃ薄だし、攻略情報が必要なゲームでもない。特にネタバレありで語るべきことはない。

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