Call of the Sea
Epic Gamesにて期間限定無料配信していた"Call of the Sea"をプレイ。
英語音声で日本語字幕あり。1箇所だけ結構台無しなところで誤字があるが、おおむね問題なし。
終盤の一部の字幕が間違ってハングル文字になっているが、ストーリーにも謎解きにも絡まない部分なので特に問題ない。
本作は、1930年代が舞台で、謎の古代文明の遺跡がある島を探検する一人称視点の探検+パズルゲーム。
主人公は家系に代々伝わる謎の病気に冒されており、その病気の治療法を求めて夫は旅に出たが、そのまま戻らなかった。残された手掛かりから、夫がある島を訪れたことがわかったので、主人公は夫を追いかけて島に行く、という話。
タイトル"Call of the Sea(海の呼び声)"からわかるように若干クトゥルフが入っているが、ホラー要素は少なめ。
また、クトゥルフというと陰鬱な雰囲気と相場が決まっているが、本作は南国のカラフルな島が舞台となっている。島の歴史はまあまあ陰惨だが、見た目はなかなか風光明媚。
プレイボリュームは、どの程度パズルで行き詰まるかにもよるが、だいたい5時間前後くらい。
パズルの難度は、カジュアルゲームにしては少し高め。ヒントを基にちゃんと考えないと解けないものもいくつかある。特に、最後のパズルは多分ノーヒント。
"The Witness"や"The Talos Principle"などの本格的なパズルゲーに比べたら簡単だしパズルの数も少ないが、意外と馬鹿にできない。
パズルのヒントは、見つけると主人公が手帳にメモし、いつでも閲覧できる。なのでプレイヤーがメモする必要はない。なかなかマメな主人公である。
ただ、一部のヒントについてはメモするのに条件があって、先にパズルを見つけてからでないとヒントを見つけてもメモしてくれない箇所がある。パズルを見つけてからもと来た道を引き返さねばならず、若干かったるくはあった。ただまあ、たいがいのパズルは自分でメモしなきゃいけないことを考えれば、ずいぶん親切設計ではある。
一方、ストーリーや、島で発見した物事に関する解釈については、主人公が独白という形で全部喋ってくれるので、プレイヤーが考える必要はない。
このゲームでは、一人称視点では珍しいほど、主人公はなにかに付けて独白する。周囲の状況や手掛かりから何が起こったのかを推測し、それを独白として語るので、ストーリーはわかりやすい。プレイヤーはとにかく島を歩き回り、インタラクトできるものを片っ端から調べればいいだけ。あとは主人公が自分で考えて喋ってくれるの聞けばいい。
プレイヤーが自分で考察できないのはつまらない面もあるが、このゲームはパズルが若干難しめでそこそこ頭を使うので、他の部分にまで頭を使わなくていい配慮だと考えれば悪くないのかもしれない。
また、主人公の独白は、パズルのヒントになっている側面もある。
探検は若干かったるい部分もある。パズルのヒントが散々していて結構歩かされるし、一分にあるはしごの上り下りも遅め。走ることができる分、ウォーキングシミュレーターよりはマシではあるが。
謎の古代遺跡探検ゲーとしての雰囲気はいい。パズルを解いた時の超科学的なギミックは結構見ものである。
この手の遺跡探検パズルゲームはインディーゲームには多いが、探索して楽しいものは意外と少ない。だいたい似たりよったりで、設定もふわっとしているものが多い。
このゲームは設定が結構しっかりしていて、遺跡を巡ることで、謎の古代文明がどういう文化を築いていたかがある程度わかるようになっている。
また、この遺跡を探検に来た探検隊の顛末についても、ありきたりのストーリーではあるが、なかなか面白い。
ただ、ちょっと気になるのは、この探検隊が各地のキャンプ跡に道具を全部そのまま残していること。キャンプ地にテントや鍋などが残されたままになっているから、ここで探検隊は消息を断ったのかな? と思っていたら、次のキャンプ地にもテントが張っていて、鍋などが残されているのである。彼らは一体、いくつテントや調理用具などを持ち込んだのだろう。普通こういうのって、キャンプ地を移動する時に撤収して持っていくもんじゃないの? 全部使い捨て? そんなバカな。
ボリュームは少なめだが、古代遺跡探検ゲーや、ちょっとしたパズルゲーとしては上質なほう。ストーリーも目新しさはないがしっかりしている。
がっつりパズルしたいとか、どっぷりと怪しい古代文明の遺跡の世界に浸かりたいという人には向かないが、休日にいい感じのゲームをちょっとプレイするにはちょうどいい。
ネタバレありの考察などの話については……特に必要ないだろう。このゲームは、クリアしてしまえば謎らしい謎は残らない。主人公が全部語ってくれる。
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