Devil May Cry V

 Steamにて"Devil May Cry V"をプレイ。


 "Devil May Cry"は、スタイリッシュに悪魔をなぎ倒していくアクションゲーム。スタイリッシュではあるが、お馬鹿でもある。中二病感満載ゲー。


 "4"まではアドベンチャーゲーム要素もそこそこあり、謎解きとかがあったが、"V"はステージクリア型になり、ひたすら敵を倒して先に進んでいくだけのシンプルな内容になった。


 多少アドベンチャー要素はあるが、鍵を拾って扉を開ける程度。後半に一見複雑そうに見えるステージもあるが、とりあえず進んでいればクリアはできる。

 ライフゲージを上げるオーブなどは若干隠されていて、そこにパズル要素がなくはない。


 また、"4"まではアドベンチャーゲーム要素優先だったことから、クソ足場渡りがあったり、カメラが壁に引っかかってプレイしにくくなるという、いわゆる「視点で殺す」クソ箇所があるなどの問題があったが、本作ではそういうしょうもない不具合はない。あるかもしれないが、プレイした限りでは気にならなかった。私はそういうのをものすごく気にするので、そのセンサーに引っかからなかったのだから問題ないだろう。

 むしろ本作では逆に、「視点によって楽ができる」システムになっている。どうやら視点内にいない敵は攻撃してこないか、してきてもだいぶ散発的になるようである。これを利用して、敵を視界外にすることによって一時的に敵の数を減らせる。



 基本的にはシリーズをプレイしたことのある人向けの内容になっていて、誰が何者かなどの説明のないままガンガン進んでいくことになる。ただ、ストーリーは単純だし、別に細かいことを知らなくても問題ない内容なので、特に予備知識は必要ない。目の前に出てくる敵を倒す話である。

 ただ、過去作品のファン向けのサービスは豊富にあるので、知っていればいるほど楽しいのはある。



 主人公はダンテ、ネロ、Vの3人で、ミッションによって使えるキャラは固定されている。

 ミッションによっては同じステージを別のキャラで進めるものがあり、たとえばプロローグではネロを使用するが、ミッション8では同じステージをダンテで進めることになる。


 このゲームではその仕組みを利用して、他のプレイヤーのプレイがちょっとだけ見られる仕様になっている。

 たとえばプロローグでは、魔王と戦うダンテの姿が見えるのだが、このダンテのプレイは他のプレイヤーがミッション8で魔王と戦っているときのリプレイになっている。

 プレイしていると、左下に"Starring by なんとか"と表示されることがあるが、これが、リプレイされているプレイヤーの名前。私のリプレイだったら"Starring by Ryokaku"と出る、というわけ。

 本作はソロゲーだが、これによって、なんとなく他のプレイヤーと協力プレイしている気分になれるという趣向。なかなか面白い。


 この疑似協力プレイが発生したステージをクリアすると、最後にそのプレイヤーに「いいね」が送れる。「いいね」されるとゴールドオーブという復活アイテムが貰える。



 アクション操作は、ゲームコントローラーの使用がほぼ必須となる。キーボード+マウスでプレイできる仕様にはなっていない。

 コントローラーを使ってもなかなか大変。キャラによって操作方法がわりと変わる上に、どのキャラもボタンをフルに使用する。

 デフォルトのキー割り当てだとめちゃくちゃプレイしにくいので、カスタマイズは必須。


 そして、各キャラで操作系統が異なる。



 ネロは最初は比較的扱いやすいが、ミッションをクリアすることで徐々に能力が開放されていき、全ミッションをクリアすると真の実力が開放されるようになる。クリア後のネロを使いこなそうとすると、銃撃ボタンを押しっぱなしにしながら戦うのが基本になり、独特な操作を要求される。

 早い段階で銃撃ボタンはRT(R2)などに割り当てておき、押しっぱなしにして戦う操作に慣れておいた方がいい。

 もうひとつ、斬撃後にタイミング良くボタンを押すことで、剣の火力をアップするギミックもあるが、銃チャージと剣チャージを両方管理しようとすると、ダンテより難しくなるかもしれない。幸いというか、剣チャージの方はそこまで重要な要素ではないので、無視してもやっていける。



 Vは、ボタンを適当に押していたら使い魔が勝手に戦ってくれるので、結構楽。先にも書いたように、このゲームでは、敵を視界に入れないようにすると攻撃されにくくなる仕様になっている。というわけで、外周を向いて攻撃+銃撃ボタンをガチャガチャしているだけでわりとなんとかなる。

 使い魔にもライフがあり、ゼロになると一定時間スタンしてしまう。回避行動を取ると使い魔を呼び戻せるのでそれを活用して使い魔のライフ管理をする。また、ゴーレムを召喚している間は使い魔のライフは減らなくなるので、使い魔の緊急回避用として利用するのもあり。



 ダンテは近接武器4種、銃4種、スタイル4種を切り替えながら戦うという、ものすごく複雑というか煩雑な仕様になっている。ダンテが複雑で扱いにくいのはシリーズの伝統だが、やっぱり今作も大変。必要なときに的確な武器とスタイルを使えるようにするには修練が必要。



 問題は、これだけ個性的な3人の主人公を、わりと頻繁に切り替えながらミッションを進める必要がある、ということ。ネロの扱いに慣れてきたと思ったらVになり、Vの扱いに慣れてきたと思ったらダンテになる。そして、ダンテに慣れてきた頃にまたネロに戻り、その頃にはネロの扱い方を忘れている。

 使うキャラを固定して進められる仕様にしてくれたほうがよかった気がする。


 なお、こんな複雑な操作は無理、という人のために、ボタンを適当に押すだけで勝手にスタイリッシュに戦ってくれるオートモードもある。クリアするだけならこれでもいけるが、このゲームをわざわざ買いながら、オートモードでプレイする人がそんなにいるのかは疑問ではある。



 難度に関しては、シリーズでは簡単な方かもしれない。そんなに強いボスもおらず、サクサク進む。

 しっかり戦い方を組み立てないといけないのは2体か3体くらいしかいない。

 ほとんど簡単なくせに、終盤になって突然、きちっと攻略を組み立てないと勝てないボスが登場してくるせいで、突然難しくなったように感じる、というのはある。

 クリアするだけなら。やられたらコンティニューを使えばいいので難しくない。


 一方、全ミッションでランクSを取ろうとすると、一気に大変になる。難度デビルハンターまでは普通にやっていても取れるが、それ以降の難度になると基準点が上がるせいで、スタイリッシュポイントを稼いでランクSを取るのは相当厳しくなる。

 ノーミスクリアするとポイントが加算され、ランクSに到達するので、世のランクSクリアを目指すプレイヤーの多くはノーミスクリアを目指しているようである。


 また、全ミッションランクSクリアの実績を取ろうとすると、下位の難度のミッションも全部Sにしなければならないので、時間もかかる。

 実績にこだわらなければ、面倒なことはしなくて良くなる。



 なお、現在本作を買うと、自動的にバージルでプレイできるモードが追加される。これは超絶ネタバレなので、初見プレイでは普通にダンテ、ネロ、Vのモードでプレイした方がいい。


 というか、公式でネタバレしているということは、こっちも気を使う必要はないということなんだろう。というわけで言ってしまうが、本作のラスボスはバージルである。そう。またスパーダの血族による身内喧嘩によって世界が破滅しそうになるわけである。


 もっとも、このゲームでネタバレも何もないと思うが。過去作プレイヤーならすぐにラスボスが誰かわかるし、新規プレイヤーなら知ったところで「バージルって誰?」である。


 どうでもいいが、たぶん本作が"DMC 5"ではなく"DMC V"なのは、そういうことなんだろうなと思う。むしろ、5のローマ数字がVなことからこのゲームのストーリーは発案されたのかもしれない。



 元々の定価だと、買ってまでプレイするには若干大味だし薄味かな、という感じがあったが、今では定価も安くなり、季節ごとにセールもやっている。今の価格なら文句はない。

 シリーズファンなら買って損はない。過去作ネタ満載の懐かしゲームである。


 本作のストーリーはどうでもいいし(中二病なイケメン兄ちゃんやオジサマがカッコ付けて悪魔を倒す、お馬鹿な話だとわかりさえすればいい)、誰が誰か知らなくても何ら問題ないので、シリーズ未プレイのプレーヤーが買っても遊べるとは思うが、本作をやる前に『ベヨネッタ』をプレイしたほうがいい気はする。メーカーが違うが、"DMC"の開発者が制作したゲーム。

『ベヨネッタ』は"DMC V"が目指しているゲーム性と似ていて、かつ、『ベヨネッタ』の方がバランスが良く、完成されている。

 なにより『ベヨネッタ』では扱うキャラが1人なので、ミッションごとに操作系統が変わって混乱することはない。


 ただし、セガらしいミニゲーム(ハングオン的な何かとスペースハリアー的な何か)が挿入されるミッションがあり、それがうざったいという問題はあるが。

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