Etherborn
Amzon Gamesにて期間限定で無料配布していた"Etherborn"をプレイ。
ジャンプとアクセスの2種類のアクションのみで構成されているシンプルなパズルゲーム。光るオーブみたいなものを集めて特定の場所に設置することで、橋ができたりして先に進めるようになる。
特徴は、丸まった角を利用することで重力方向が変わること。重力方向が変わることで、さっきまで壁だったものが地面になったりするわけである。文章で説明するのは難しいが、やればすぐわかる。
パズルの難度は低めだが、カメラワークの問題で、少し操作に難がある。細い道を歩く際に道を踏み外して落下したり、ジャンプして下に降りる際に着地地点を外したり。
いつも言っていることだが、カメラワークで殺しに来るゲームは無条件でクソゲーである。というわけでこれはクソゲー。
死んでも即リトライ可能で、特に終盤は死んだらショートカットできることもあるので別に死んでも構わないのだが、カメラワークの不備で殺されるのはやはりいただけない。
また、終盤には、あまりにフィールドが広すぎてどこに行けばいいか分かりづらかったり、落ちたら死にそうな高さから落下しないと先に進めない箇所がある。
普通、パズルは、全体像や目的地ははっきりしている。A地点からB地点に行きたいのだけど、どうすればいいかを考えるのがパズル。
しかしこのゲームでは、B地点がどこなのかがよくわからないまま、適当に走り回ることになる。ゴールがどこか知らないけど、たぶんこっちなんじゃないの? と適当に走り回っていたら、たまたまゴールを見つける。そのため、パズルを解いている気がしない。ただ走り回っているだけな感じがする。
後半になると多少はパズルらしさが出てくるが、今度は広すぎて無意味に迷ったり(どこに行けばいいのかわからずうろうろするのはパズルとは言わない)、カメラワークの問題で落下死してイライラしたりするようになってくる。
このゲームのパズルは、もっと洗練できるような気がする。
ゲームボリュームは4ステージ。2時間くらいであっという間に終わる。
クリアすると2周目が解禁される。2週目はオーブの配置が変わっており、茂みに隠されたりして嫌らしくなっている。原始時代のゲームのようである。昔のゲームって、重要アイテムが透明だったり、わけの分からないコマンドを入力しないと出現しなかったり、そしてそれがノーヒントだったりした。そんな懐かしさを覚えるノスタルジックな難度の上げ方である。要するにクソ。
ストーリーはわけがわからない。脳内に直接謎の声が響き、「私の声が聞こえますか。この声を辿って私のところに来てください」とか電波なことを言われるので従うのだが、行ってみたら、人類がどうやって恐怖を克服したかという、謎のお説教を聞かされる。これでやる気を出せというのは無理がある。
まあ要するに、プレイヤーが肉体で、電波なもじゃもじゃが精神で、肉体と精神が融合することで新たな生命が誕生するとか、そういう筋書きなのだろうが。
プレイヤーへの動機付けとして、パズルを解くこととストーリーの展開には、何か関連があるか、あるいはあるかのように見せる演出が欲しい。たとえば脱出ゲームなら、パズルを解くことが部屋や屋敷から脱出するという最終目標に繋がることで、プレイヤーのやる気を持続させている。
このゲームにはそれがない。電波なことを言っているもじゃもじゃの元に辿り着くことが、プレイヤーにとって大事なこととはとても思えない。
たとえばこれが、亡くなった親友の魂を取り戻すための旅というストーリーなら、ゲーム自体は同じでも、プレイヤーのやる気は全く変わるだろう。
パズルをもっとフェアかつやりごたえのあるようにして数を増やすか、ストーリーを面白くするか、あるいは各ステージを狭くする代わりに数を増やし、それぞれ雰囲気を大きく変えて観光ゲーとして面白くするか、とにかく何かもう一工夫欲しいゲームである。
クラウドファンディングで資金を集めて開発されたゲームなので、身内が満足ならそれでいいのかもしれないが。
しかし、私はこの手のインディーゲームの雰囲気パズルゲーをいくつかプレイしてきたが、それらは、欠点はあっても、それに目を瞑ってもいいと思えるような面白い要素のあるゲームが多かった。
それからすると"Etherborn"は、見た目が豪華なわりに中身がなく、ダシの効いていない味噌汁のようなゲームに感じた。なんだかもったいないデキ。
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