Car Mechanic Simulator 2018
EPIC Gamesにて期間限定で"Car Mechanic Simulator 2018"が無料だったので入手しておいたものをプレイ。
このシリーズはすでに"2021"が登場しているので、現行よりひとつ前のバージョンとなる。
本作は名前の通り、メカニックとなって車を修理するゲーム。修理依頼を受けて、車を点検し、故障箇所を発見して修理する。
ある程度ゲームが進行すると、納屋やオークションで車を購入したり、スクラップヤードに行って廃車を買ったりスクラップパーツを購入したりできるようになる。買ってきた車をレストアして売ることもできる。
登場する車は全て架空のものになっている。元ネタは見ればわかるが。
ゲームが進行するとガレージは広くなり、設備も増えるが、従業員は雇えないし、レストラン経営とかレース活動とかもできない。ひたすら孤独に車を修理するだけのゲームである。
車の点検、修理については、ある程度実際の車のそれを忠実に再現している。ただ、ギアボックスを下ろすのにジャッキが必要なかったり、エンジンカバーのボルトを締めるトルクや順序を気にしなくてよかったりなど、それなりにいろいろ簡略化されている。
また、車の修理だとわりと定番のガスケットも省略されている。オイル漏れ箇所を特定して修理する要素はない。
このゲームをプレイすると、ある程度車の構造について詳しくなれるが、「これなら俺でも自分で車をいじれるかも!」と勘違いして本物の車に手を出すと、ゲームと現実との違いに絶望することになる。
逆に、このゲームをプレイするには、ある程度車の知識が必要になる。たとえば、エンジンが始動しない車の修理をする場合、点検機材を使うことで故障箇所はいくつかは判明するが、全ての原因は特定できない。実際に車が始動しない原因をある程度知らないと、何を直せばいいかわからないだろう。
タイヤ交換も知識がないと無駄な買い物をしまくることになる。タイヤには(205/90 R 15)などとよくわからん数字が書かれているが、(タイヤ幅/扁平率 R リム径)という意味。Rはラジアルタイヤという意味で、このゲームでは特に気にしなくていい。ちゃんと正しいサイズのタイヤとリムを買わないといけない。
持ち込まれる車はしばしば、依頼された箇所以外にも壊れかけの部分があったりする。が、それを直してもボーナスはなく、損をするだけ。また、各依頼には各パーツの状態の最低条件が決められており、それを満たしてさえいれば中古パーツを組んでも問題ない。要するに、依頼通りに淡々と修理すればいいだけである。
そんなお役所仕事的な修理依頼に飽きたら、ジャンクヤードから車を拾ってきてレストアして売る、という手がある。こっちの方がいろいろこだわれるし、好きにパーツを組めて楽しいのだが、相当ゲームをプレイしないと、塗装とボディワークが解禁されない、という問題がある。詳しくは後述する。
このゲームはいろいろ不親切なところがある。
まず、チュートリアルがすでに不親切で、どうすればチュートリアルが終わるか、わかりにくい。壊れていない方の車にエンジンオイルを入れて、テストトラックを走行すればいいのだが、あまりにもやれることが多すぎるせいで、何をすればいいのかさっぱりわからないのである。チュートリアルは飛ばしていい。何の役にも立たない。
通常の依頼では起きない問題だが、ストーリー依頼では、修理箇所は必ずパーツの状態が100%でなければならない。そのため、たとえば左リアのブレーキキャリパーが88%で壊れておらず、右リアのブレーキキャリパーが壊れている場合、間違って左リアに買ったキャリパーを装着し、右に88%のキャリパーを装着すると、修理していないことになる。
修理箇所を確認する画面で、星マークをクリックすると点灯させることができるのだが、そうすると、故障箇所が青枠で表示されるようになる。これで、どのパーツが故障していたかを確認することができる。
しかし、ゴムブッシュやイグニッションコイルなどはいちいちどれが壊れていたかを確認しながら装着するのも面倒くさいので、ストーリー依頼では全交換してしまったほうがてっとり早い。
どのパーツがいくつ必要かは、一応ゲーム内にメモできる機能があるが、すんごく使いにくい。というわけで、結局は自分で紙に書いたほうが簡単。このゲームをプレイするには筆記具とメモ帳必須である。
このゲームでは、比較的早い段階でスクラップヤードや納屋でオンボロ車を買ってレストアできるようになるのだが、塗装やフレームの修理(溶接)はLv30にならないとできない。塗装やボディワークを外注する機能はない。そのため、せっかくレストアしてもボディが錆びたまま、取り替えたパーツは無塗装のままになってしまう。一応その状態でも売れるし、利益もできるのだが、どうにもすっきりしない。せっかく一から車を組み直したのに、ボディワークだけボロボロのまま売るなんてありえるか? いくら中身がきれいでも、外見がボロボロじゃ台無しである。
というわけで早くLv30にしたいのだが、それには相当な数の修理依頼をこなさなければならない。Lv30になる前に飽きる人のほうが多いだろう。
せめてボディワークや塗装を外注できる機能が欲しかった。
なお、インテリアの掃除機(内装の状態を100%にする)や溶接機(フレームを100%にする)、エンジンクレーン(エンジンの取り付け、取り外しを行う)は、ガレージのオフィス寄りに置かれている。「追加されました」などのアナウンスもなくいつの間にか追加されているため、結構気づきにくい。
依頼をこなしていれば金は貯まるが、金の使い先があんまりないのが残念なところ。ガレージの拡張や設備の追加には金がかからないので、事業拡大に金は必要ない。
金は車やパーツを買うのに使うが、このゲームは運転ゲームとしてはイマイチなので、自分用に車を買ってもあまり楽しくない。結局、車はレストアして転売するために買うわけだが、そうして金を貯めた先には何もない。
ひたすら車を直すだけのゲームで、かなり人を選ぶ。こんなの、何が楽しいんだ? という人も多いだろう。ある程度車の知識があり、車レストア番組が好き、という人向けの、なかなか暇なゲームである。私はわりと好きなジャンルだが、もう少しなにか面白い要素が欲しいな、という感じもする。
従業員を雇うとか、展示会に出品したりレースに参加して知名度を上げるとか、もう少しガレージ経営的な側面が欲しい。
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