IXION(Ver.1.0.4.7)
[2023.05.23 追記]
Ver.1.0.4.7で難度調整機能が追加された。初見殺し満載ゲーなので、最初は簡単な難度でプレイを推奨する。
また、いくつかのアップデートにより、ゲームバランスは初期に比べれば遥かにマシになっている。
高難度モードのチャレンジは、序盤の資源がぎりぎりしかなく、余計なものを建てたり、不用意にセクターを開けたりするとすぐ詰む。
しかしそれでも、初期の劣悪バランスに比べたら遥かにマシ。食料はあるのに永久に飢餓が終わらないとか、なぜかすぐストライキが起きるとか、バグなのか仕様なのかわからない謎の理由でどんどん状態が悪化していくことはない。
とはいえ、基本的には効率を追求していくタイプの詰将棋型運営ゲーであることは変わりない。プレイャーの自由に街作りを楽しんだりするタイプではない。
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"IXOIN"は、宇宙開拓をテーマにした都市開発ゲーム。
惑星や小惑星を探査して資源を集め、それを利用して星間航行可能なコロニーの内部に設備を建設する。そうしながら目標タスクをこなし、目標を達成したら次の星系へと旅立てるようになる。最終的には人類を別の星に移住させるのが目的。
チャプターは全部で6つ(プロローグ+5章)。各チャプターで訪れる星系の資源には限りがあり、また、長く同じ星系に留まるとクルーの安定度(幸福度)が下がり、コロニーの状態が悪化する。基本的には資源が尽きると詰むので、それまでに次の星系へと旅立つ準備を整えなければならない。
このゲームはかなりシビアなバランスになっている。
資源は潤沢とは言えず、保管できる量に対して消費量が多いために管理も難しい。ひとつの倉庫に保管できる資材は100までなのに対し、ひとつの設備の建設に必要な資材が50とか70とかで、溜め込んでいてもすぐ尽きる。
コロニー内部は狭く、計画的に建物を建てる必要がある。また、倉庫と資材を必要とする建物との道路の距離も重要で、遠いと工場から生産物が運び出されずに稼働が止まったり、食堂に食料が届かなくて飢餓状態になったりする。
クルーは仕事がキツいだの腹が減っただの地球が恋しいだのと、なにかとすぐ安定度が下がり、下がりすぎるとストライキを起こして施設が稼働しなくなる。そうなると重要な資材が生産できなくなり、だいたい詰む。そのくせクルーの3分の2は非労働者。つまり、遊んで暮らしている奴が66%もいて、そいつらは文句ばっかり言っているわけである。こんな社会は地球でも成り立たないだろう。
さらに、コロニーは資材を消費して修理し続けなければならない。コロニー内部の設備に資源を使いすぎて修理資源が尽きると、あっという間にコロニーは壊滅してゲームオーバー。
そして、難度は変えられない。
([2022.12.21 追記]Ver.1.0.2.2で労働者の比率が上がり、初期バージョンよりは運営が楽になった。また、将来的に難度変更機能が追加されることもアナウンスされている)
このゲームには初見殺しの罠が多い。イベントで突然人口が一気に増加して食料が不足したり環境が悪化して秩序崩壊したり、磁気嵐に巻き込まれて身動きが取れなくなり、移動することも資源を採取することもできずに削り殺されたり。
コロニーのどこに何を建設し、どこにスペースを残しておくべきかも、後々の展開を知らないとわかりようがない。初見だとだいたい後でスペースが足りなくなって詰む。ある程度コロニーの規模が大きくなってくると建物を建て直す余裕もできるが、序盤はそんなことをしているとあっという間に破滅する。
そのため、何回かやり直すことは覚悟した方がいい。ざっと下見して、先々に何があるか理解した上で計画を立てるのである。初見クリアはまず無理。
しかし、磁気嵐が何ターン後に来て、何ターンしたら去るかとかそういう情報くらいくれてもいいと思うのだが。天気予報くらいあったっていい気がする。
地味に深刻な問題を引き起こすのは、冷凍冬眠した人間のカプセル。専用の施設で解凍することで人口を増やせるが、カプセルが250溜まるごとに安定度が1下がる。この仕様には気づきにくく、知らない内になぜか安定度が下がって秩序崩壊して詰むことがままある。カプセルを積み込む前に、カプセルで下がる分の安定度を確保しておかなければならない。カプセルが多すぎて処理できない場合は、思い切って回収せずに見捨てるのも手。
しかしそもそも、この仕様自体が謎である。なんでカプセルが多いと幸福度が下がるんだ? カプセルを回収せず、見捨てた方が幸福度が下がらないのはなんとも奇妙である。
([2022.12.21 追記]Ver.1.0.2.2で、セクターの人口よりカプセルの数が多くなった場合に安定度が1下がる仕様に変更された。この問題はこれでだいぶマシになった。いずれにしても、カプセルの受け入れは慎重に行った方がいい。惑星に置いてある限りカプセルはペナルティ対象にならないが、コロニーに保管して放置すると、早く解凍しろと住民が急かしてくることがある)
この手のゲームは余裕が出てくると放置できるが、このゲームでは最初から最後まで一切放置できない。プレイ中は付きっきりでやることになる。かなり忙しい。
なお、私のクリアタイムは50時間だった。何度かやり直したので、その時間がなければもっとクリアタイムは削れると思うが、初見クリアが難しいことを考えると、実際にこのくらいはかかると思われる。そしてこの間、一切放置していない。
難度高めなので、この手のゲームの初心者には厳しい。緩い都市開発ゲームには飽きたというマニア向け。
タイトなプレイを要求される本作はやっていると疲れるが、独特のやりがいもある。
攻略情報について。
このゲームは難しいので、ざっくりとした開発ガイドを書いておく。
労働者は事故で怪我をしたり、飢餓状態になると働けなくなる。トラブルを見越して、少し余らせておいた方がいい。ぎりぎりしかいないと簡単に時間外労働、過労になる。
食料の倉庫と食堂は必ず隣接させること。遠いと運んでいる間に飢餓になる。
中盤以降、農場などの大型食料生産施設を作る場合は、農場、大型の倉庫、食堂を隣接させるように作る。隣接していないと農場に食料が溜まる一方で、ちっとも各セクターの食堂に食料が行き渡らないという悲劇が起きる。また、ドローンベイが建設可能になったら、どこかにひとつは建てておく(農場のあるセクターでなくてもいい)。セクターが多くなってくると、ドローンがないと食料配給がうまくいかなくなってくる。
食料は1つで10人分だが、輸送に時間がかかったり、イベントで食料を要求されることがあるので、かなり多目に生産しておいた方がいい。目標は必要量の2倍。ぎりぎりの生産量しかないと、たとえばイベントで30個とか要求された瞬間に300人分の食料が足りなくなる。
セクターの人口が500人を越えると、ひとつの食堂では食料を配給しきれなくなるが、これは研究のアップデートで改善可能。2軒建てる必要はない。
工場と資源と生産物の倉庫もできるだけ隣接させるのが望ましい。これも遠いと輸送がボトルネックになる。
工場の数は1つずつでいいが、序盤は製鉄所は2つあった方がスムーズかもしれない。廃棄物処理場がうまく稼働するようになったら解体して1つにすればいい。
なお、製鉄所のあるセクターにドッキングベイを集中させておくと(セクターを解放するごとに1つ増やすといい。最終的に3つで足りる)、鋼材不足で船体の修理ができなくなるのを防ぎやすくなる。終盤だと鋼材を生産する廃棄物処理場のあるセクターでもいい。
廃棄物処理場や、倉庫に廃棄物を貯めるには、先にデータ聴取センターを建て、指令で廃棄物の項目を「リサイクル」にしなければならない。これは結構盲点で、せっかく廃棄物処理場を建てても使えないじゃーん! ということになりがち。このゲームにおいてこうした計画ミスは致命的。
廃棄物処理場は工場よりも効率よく資材を生産できるので、終盤はかなり有効。ただ、序盤は廃棄物が不足気味でうまく稼働しないことも。研究で居住区から廃棄物が出るようにすれば、だいぶ改善される。
ゴミのリサイクルによる生産が軌道に乗れば、資源の採掘が必要なくなる。つまり、各チャプターの資源切れによる制限時間がなくなり、ゆっくりと進められるようになるので、できるだけ早く軌道に乗せたい。
このゲームにおいて重要になるのは壁際のスペース。壁際にしか設置できない建物がいくつかあり、それを建てるためにスペースは開けておいた方がいい。
特に壁際に建設できる住居房がかなり省スペースで便利。各セクターの上部の壁際2マスを空けておくと後々楽。
セクター1に最初からあるドッキングベイの位置は効率が悪いので、プロローグが終わる前に建て替えて位置を変えたほうが後々楽になる。おすすめは右下か左下。隣のセクターに行く通路があるが、そこは塞いでいいからきっちり端に付ける。
ドッキングベイやエアロックなどの宇宙関連の設備も壁際限定。貨物船の出入りするセクターが多いと資源の管理が煩雑になるので、貨物船用のドッキングベイはひとつのセクターにまとめた方が楽。科学船のドッキングベイもまとめた方がいい。採掘船はどこでもいい。
船はドッキングベイから解除して入れ換え可能なので、少し多目に作っておいて、必要に応じて必要な船を増やしたり減らしたりといった調整もできる。
科学船は最後まで2隻で充分。あまりに数を増やすとイベントの管理が煩雑になる。
採掘船は4隻。基本的にはそれぞれ、鉄、ポリマー、シリコン、氷を優先的に採掘するように指示を出しておくといい。
貨物船は4から6隻。これも各資源を優先して運ぶ船をそれぞれ用意しておき、必要に応じて指示を替えるなどする。5隻目、6隻目は予備で、普段はカプセルや探検用として用い、鉄や氷が足りない時はそれらを運ばせる。
ゲームが後半に差し掛かると、消防署の建設が可能になり、と同時に火災が発生するようになる。それを見越して、各セクターには6x6マスのスペースを用意しておく。また、バッテリー大の設置用に7x7マスのスペースも残しておきたい。序盤はそこにバッテリー小を複数建設し、後に大に替える。
研究のアップグレードは、智識の産出を上げるものを優先する。
テクノロジーラボの「アシスタントの力」はアップグレード可能になったら最優先で研究。
科学船の「先進アナリティクス」もできるだけ早く取りたい。
チャプター1では、まず真っ先に船外活動から船体修理をオンにする。忘れたらゲームオーバー。以降、このボタンをオフにすることはない。……最初からオートでオンにして欲しい。ソーラーパネル建設中は修理が滞るので注意。
チャプター1で詰む主な要因は、鋼材が枯渇して船の修理ができなくなること、カプセルがセクターの人口より多くなると安定度が1下がること、急な人口増加で食料や居住スペースが足りなくなること。
まずはセクター1の空いているスペースに昆虫農場を建てる。目安として、昆虫農場は1つで50人分の食料を賄える。多めに建てた方がいいが、建てすぎると労働力が足りなくなるのが悩みどころ。
そしてセクター2か6の解放を目指す。どっちでもいいが、ここではセクター2とする。解放したら、そこにドッキングベイと製鉄所を建てる。余裕ができたら冷凍冬眠の解凍施設も。
セクター1にはエアロックをひとつ追加。
安定度はイベントでガンガン下がるので、早めに安定度を上げる施設を建てておく。常に満足になるようにしておきたい。中立維持だと簡単に状態が悪化してしまう。
チャプター2には右に小さな磁気嵐のエリアがあるが、あそこを科学船や採掘船、貨物船を通過させるとロストするので絶対に通過させないこと。研究に、船を荒天に耐えられるように強化するやつがあるが、あれを研究しても結局壊れるので無駄。
磁気嵐の向こうに惑星があるが、あそこを探検する場合、近くの小惑星を利用して、嵐を避けるように科学船を派遣し、貨物船の必要ない選択肢を選ぶか、チャプターの終わりまで放置しておいて、チャプタークリア直前に全船をタイクーンに戻してからタイクーンであの惑星に移動し、探検する。
ここでも相変わらず多すぎる冬眠カプセルが問題になる。研究では住居房の開発を最優先し、建設可能になったら即建設する。
また、安定度の上がる研究は優先的に取っておきたい。このゲームのクルーのメンタルは豆腐どころかとろけるプリンなので、早め早めに対処したい。
新たなセクターは食料生産専門にしたい。氷融解施設と農場を建てる。また、倉庫の大も研究で解放したい。農場と倉庫と食堂は隣接させること。また、隣のセクターに近い側に設置すると、少しは流通の捗りも改善される。
チャプター3では、画面下部にある磁気嵐が、上部の惑星の探索を完了するか、だいたい10曆くらい経過するごとに一段階ずつ上部に向かってくる。周辺の小惑星を素早く採掘して必要な資源を確保し、バッテリーを全セクターで5曆持つようにし、エアロックを増やしたり、船体の耐久性を向上させたり、修理速度を上げる研究をして、移動に備える。
しばらくすると画面下部の嵐が晴れて移動ポイントが見えるようになるので、そうしたらすべての船を帰還させ、タイクーンをその惑星に移動させる。移動先はハイクリアランス地区がいい。イベントでタイクーンを隣接させる必要があるので、最初からそこに行ったほうがてっとり早い。だいたい5曆かかるので、その間持つだけのバッテリーと、十分な整合性、食料の準備が必要。まあ、初見殺しである。
この磁気嵐はやがて上に向かって過ぎていき、最終的にはいなくなる。上部の惑星探査はその後でもいいので、急がなくていい。
嵐の中に資源が残っている場合、貨物船や採掘船がそれを取りに行って嵐に突っ込むことがあるので、嵐の中の小惑星や惑星は無効にしておくといい。面倒くさいが必要な処置。
初見殺しの磁気嵐さえ切り抜ければ、このチャプターはまあまあ資源にも時間にも余裕がある。今のうちに態勢を整えたい。
ここの惑星探査は後々重要になる分岐が多いようなので、選択肢を選ぶ直前にセーブしておくといいかもしれない(下手したら詰むような気がするが、大丈夫なのか?)。このチャプターに限らず、選択分岐前のセーブは有効。それぞれの選択肢と結果をメモしておけば、次のプレイで役立つ。
チャプター4では、ピラネシを探索すると追っかけ回されて攻撃を食らうようになるので、事前に十分な準備をしておくこと。周辺を探索して全ての惑星を発見し、各セクターに少なくともバッテリー大を1つは建設し、最低5曆くらいは持つようにしておき、ポリマーを大量に(500くらい)用意しておく。また、対戦艦用の研究や船外活動による建設は事前に行っておくこと。前チャプターの探検で解放されているはずだが、意外と見落としていることも多い。
磁気嵐の向こうにも惑星があり、回り込むようにすれば磁気嵐を避けて探索可能だが、戦艦に追われているときにあの辺に逃げ込むと、磁気嵐の袋小路に追い込まれるのであまりいいとは言えない。袋小路に到達するまでにケリが付けられるだけの準備をしてあるならそれでもいいが、初見では難しいだろう。その作戦で行く場合、科学船を1隻、上部に残しておくことを忘れずに。パルサー星を探索するための科学船が送り込めなくなってしまう。
ここで準備を怠ると、チャプター5で詰み、最初からやり直しになることもあるので、次のチャプターに移る前に、きちんと入念な準備をしておくこと。
チャプター5は、ゆっくりできそうで実は時間制限がまあまあ厳しい。鋼材を大量に必要とするので、鋼材をガンガン準備。また、バッテリーが1000マス必要になるので、早い内に要らないスペースに建てておく。
その他の必要なものは分岐次第。このチャプターではシナリオは分岐するが、分岐によってクリアに必要な資源やスペースは変わってくる。いずれにしても、最後に解放したセクターには十分な空きがあった方がいい。
シナリオについて。
人類が地球以外の惑星で生存できるようになるには、もっと賢くなる必要があると私は思っている。戦争なんかしているようでは到底無理。なぜなら、この大事業を成功させるには、人類が結束して事に当たることが不可欠だからである。争っている場合ではない。
なのに、宇宙が舞台になる話では、たいがい戦争したり、しょうもない政治的駆け引きに明け暮れる馬鹿ばかり登場する。昔の小説やアニメの人類が争っているのは、その頃には宇宙開拓に関する知識がなかったのだからしょうがないが、21世紀にもなって未だに宇宙で争う人類ばかり描かれている現状は嘆かわしい。
このゲームの人類もかなり酷い。宇宙開拓に恐ろしくしょうもない政治的駆け引きを持ち込み、その末に、国連が企業体の開発した星間移動エンジンに細工をし、その結果、エンジンは暴走して月を破壊。地球は人類の住めない星になってしまう。政治的駆け引きで自分達もろとろ人類を滅ぼすという、とてつもなくアホ臭いことに。人類が滅びたら国連も何もないだろう。正気じゃない。
こうしてプレイヤー達は最後の人類となり、どこかに住める星を見つけないといけなくなる。
チャプター1ではいろんな人間がいろんなしょうもないことを言ってきてプレイヤーの仕事を邪魔するが、チャプター2以降、そうした人間は一切出てこなくなる。みんな死んじゃったからね。アホ過ぎるね。清々する。
もっとも、タイクーンに乗っているクルーもアホで、3分の2は仕事もせずに文句ばっかりいってくるし、腹が減った! とか言って食堂や食料を保管している倉庫でストライキを起こして、ますます飢餓が悪化するという能無っぷりなので、いっそこのまま放っておいてタイクーンも全壊して人類が滅びた方がいいんじゃないかと思ったりもする。
このゲームをプレイしていて、クルーのあまりのわがままっぷりに、ゲームオーバーがむしろベストエンドに思えた人もいるだろう。こんなアホな人類を存続させる必要なんてあるのか? どうせどこかの惑星に移住しても、そこで戦争をして滅びるぞ、こいつら。
だからこそ企業体は、遺伝子レベルで人類を改変しようとしたのかもしれないが。あれで本当に平和な種族になるのかはよくわからん。
私は、遺伝子を書き換えてレムスの住民と一体になるエンディングと、ロームルスに移住するエンディングを見たが、私が見ていないエンディングもありそうで、そっちでは例の遺伝子について暗い側面も描かれていそうな気がする。
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