PC:レース

Forza Horizon 5

 Steamにて"Forza Horizon 5"をプレイ。


 プレイ環境はCPU:i7-3770、メモリ16GB、ビデオカード:GeForce GTX 1060 6GB、SSD使用。

 必須環境ぎりぎりのスペックだが、画質はプリセットの中、フルHDで60FPS出ている。プレイに支障なし。


 プレイしてしばらくすると頻繁に強制終了するようになったが、原因はWindows10が21H1のままだったことらしい。H2に更新したら直った。ついでなのでビデオカードのドライバも最新にしておいた。

 未だに落ちることはあるが、頻度はかなり減った。おおむね問題ない。



 "Forza Horizon"は、私にとって夢のゲームである。

 私は『リッジレーサー』をプレイしていたとき、ガードレールの向こうに見える街を走ってみたいといつも思っていた。『グランツーリスモ』をプレイしたとき、ディーラーや洗車場やサーキットにクルマで走って行きたいと思った。せっかく実車がたくさん収録されているのに、なんでアイコンをクリックしてサーキットに行くだけなんだと思った。


 私の夢を最初に叶えてくれたのは『レーシングラグーン』だった。ラジコン操作ではあったが、YOKOHAMAの街を自由に走れた。HAKONEや首都高も走れた。それだけであのゲームは神である。


 その後、『テストドライブ アンリミテッド』や"Need for Speed: Most Wanted"では、実際に街を走れるようになった。お望み通り、ディーラーまでクルマで走って行けるようになったのである。ついでにパトカーに追跡されるオマケ付き。

 "Grand Theft Auto"も街を自由に走れ、パトカーに追い掛けられるゲームだが、クルマは犯罪の道具に過ぎず、その辺で盗んで乗り捨てるものに過ぎない。愛車を大事に乗るゲームではなく、そういう意味ではクルマ好きのためのゲームとは言えない。



 そして登場したのが"Forza Horizon"である。"Forza Motorsport"仕込みのリアルな挙動や細かいセッティング、自由度の高い塗装やデカールの貼り付けが可能で、かつ、広大なフィールドを走り放題。『グランツーリスモ』で街を自由に走りたいと願ったあの頃の夢が、ほぼそのままの形で実現したのである。内装も再現されており、ドライバー視点でプレイすると、本当に実車に乗っているかのような気分を味わえる。

 クルマの挙動は『グランツーリスモ』や"Forza Motorsport"に比べるとかなりカジュアルになっている。時速300km超でブッ飛ばしてもクルマの挙動は安定しているし、タイヤはあり得ないくらいグリップする。ほどほどにリアルだが遊びやすい、いい案配のバランスである。



 "Forza Horizon"はクルマと音楽の祭典で、毎年開催国が変わる設定になっている。複数の町をまたいだ、かなり広大な地域が会場となる。期間中、エリア内は交通規制がなくなる。24時間クルマ走らせ放題、音楽イベントやり放題。公道はもちろん、草原も砂漠も森もジャングルも川も畑も走り放題。木々や電柱もなぎ倒し放題。本当に開催されたら迷惑この上ないイベントだが、そこはフィクションなので本気にしてはいけない。

 開催地は、初代はアメリカ、"2"はフランスとドイツの国境、"3"はオーストラリア、"4"はイギリスだった。


 5作目の今回はメキシコが舞台。砂漠やジャングルなどの他、テオティワカンをクルマで爆走できる。クレジットによるとどうやらちゃんとその筋に許可を得て収録されたらしい。「世界遺産をクルマで爆走するゲーム作っていいっスか?」と聞く方も聞く方だが、許可する方もどうかしている。最高である。

 もっとも、今まで会場となった国で、ゲームを本気にして爆走したという話は聞かないから、そういう実績があってこそ実現した話なのかもしれない。だから、是非とも現実世界で馬鹿な真似はやめてもらいたい。もっとも、ゲームの走行を真似したらあっという間にあの世行きである。


 レースの種目は、舗装路をクローズドして走行するロードレース、未舗装路も走るダートレース、道じゃないところを走るクロスカントリー、一般車が走行する中でレースするストリート。その他、列車やバイクなどとの異種レースや、スピードトラップで最高速度を記録したり、ドリフトゾーンでドリフトをキメたり、ジャンプ台を使って空を飛んだり、隠されている看板を見つけては破壊して回ったり、納屋に眠っているお宝クルマを見つけたりできる。


 あと、今作では、覆面レスラーとなってよくわからんルールのクルマバトルに参加したり、考古学者に付き合って遺跡を回って写真を撮るなどのストーリーがいくつか用意されている。


 オンラインでは、普通のレースの他、プレイヤーがチームを組んでCPUドライバーチームに勝つPvE、参加プレイヤー全員で課題をクリアするイベント、旗取りゲームや感染ゲーム、バトルロイヤルなどの変則的なルールのイベントなどが用意されている。

 また、毎週定期的に課題が用意され、課題をこなすことでクルマがもらえるイベントもある。真面目にやると、これだけでかなり忙しい。


 また、プレーヤー自身がコースを作成してレースを開催したり、課題を用意して他のプレーヤーにプレイさせることもできる。


 不要になったクルマは他のプレーヤーにあげたり、競売にかけたりできる。


 要するに、クルマゲームでできそうなことはほとんど網羅している。このゲームでできないのは、本格的なサーキットの走行と犯罪行為くらいである。



 一方で、ゲーム側がプレーヤーに対して強い動機付けをすることはない。設定上、プレーヤーはどちらかというと開催側の人間で、イベントを成功させるために会場の設置を手伝ったりしている。すでに一定の知名度と実績があることになっているため、このイベントで名を上げてやろうとか、そういうハングリー精神を刺激するものはない。また、プレーヤーのライバルキャラが登場するわけでもない。

 そのため、本作を「レースゲーム」のつもりでプレイすると、すぐ飽きてしまうだろう。


 本作は夢のクルマライフをエンジョイするのがコンセプトとなっている。クルマ好きをターゲットにしており、プレーヤーはクルマが好きなんだから、放っておいてもそれぞれに楽しむだろう、というスタンスになっている。やれることはいろいろ用意しておくけど、やるかどうかはプレーヤーの自由。そのために好き嫌いははっきり分かれる。



 以下、プレイした雑感について。


 収録車種は、ランチアとアルファロメオがなくなっていることはすぐ気付いた。フィアットもか? Wモーターズのライカンもなくなっている。私は結構気に入って乗っていたので残念。

 一方、"4"では収録されていなかった(途中から一部収録されたが)トヨタは復帰。

 収録車種自体は550前後とかなり多いので、一部のメーカーがなくなってもそう大きく影響することはないが、お気に入りのメーカーがなくなった人にとっては残念だろうとは思う。まあ、この際だから他のメーカーのクルマに乗ればいいと思う。



 "4"から実装された四季の移り変わりは本作でも再現されているが、メキシコではそこまで大きな変化がない。イギリスだと一目で季節がわかったが、メキシコでは区別が付かない。目新しいのは、雨期にものすごい雨が降ったり、乾燥期に砂漠で嵐が発生したりするくらいか。

 豪雨は本気でヤバいレベルで降る。雨が酷すぎて視界不良になり、雨音が激しすぎてエンジン音が聞こえない。



 グラフィックは、初めて見る人にとっては感動モノだろうが、"4"からプレイしている人にとっては、まあ、こんなもの、といった感じ。文句はないが、目を見張るものもない。さらに"3"(オーストラリア)をプレイしていた人ならジャングルや砂漠も見慣れているから、メキシコの風景には既視感がある。



 "4"に比べると週替わりのクルマがもらえるイベントの難度が上がっている。結構きっちりクルマを仕上げて、ある程度走り込まないとクリアできなくなった。特にレースイベントでは1位を取るのが難しくなっている。

 別にこんなところで難度を上げなくていいのにと私は思う。難しくしたところでやりがいが増すわけではなく、面倒が増えるだけである。

 だいたい、こんなに難しくしたら、初心者お断りにならないだろうか?



 今作でもCPUのレベルを「観光客」から「神」まで細かく設定できるが、今作の「神」はただのチート野郎で面白くない。明らかにプレーヤーよりも速いクルマを使い、あり得ない速度でコーナーリングしている。公式がチーターを送り込むのはやめていただきたい。

「神」に勝つとクルマがもらえるが、たぶん勝つのはほぼ不可能なのではないかと私は思う。何度か挑戦してみたが、セッティングや腕でどうにかなる問題を超えている。『リッジレーサー』で、ノーハンデでCPUのデビルカーとやるようなもの。一回前に出られたら絶対抜き返せないが、グリッドですでに前にいるからどうにもならない。可能性があるとすれば、ストリートでCPUが一般車と接触するとか、それくらいかもしれない。


 そもそもこのシリーズのCPUは、"4"からチートくさい動きをするようになっており、気に入らなかった。というのは、序盤はやたらと速くてプレーヤーがどうあがいても抜けそうにないのに、中盤以降、突然スピードダウンして楽々抜けるようになるのである。おそらく接戦している雰囲気を作るための調整なのだろうが、余計なお世話である。

 レースでは、序盤に他のクルマの挙動を見て、特徴や弱点を掴んでおいて勝負するのが定石である。序盤にチートされると特徴を掴めず、ものすごくやりにくい。

 それでも"4"の「神」は、中盤以降にペースダウンすることを知っていれば攻略可能だった。序盤で距離を詰めておいて、ペースダウンしたところで抜けば良かった。今作は無理。よほどプレーヤーに有利な条件のレースにしないと勝ち目がない。



 ドリフトイベントは、今までと比べると格段にやりやすくなり、また、ポイントが加算されやすくなったようで、難度が下がった。

 私はドリフトイベントを半強制的にやらされるのが気に入らなかったので、適当なクルマで適当にやってもクリアできるようになったのはありがたい。



 オープンワールドのゲームなのである程度しょうがないが、今作もバグはたくさんある。私は遭遇していないが、オークションで競り落としたクルマが消滅するバグなど、深刻なものもあるらしい。

 私が遭遇したものでは、課題の説明文が間違っているとか、課題をクリアしてもクリアしたことにならないとか。

 ただ、"4"の初期に比べればマシなように感じる。"4"の初期はろくな最適化がされておらず、どんな設定にしてもフレームが欠けまくってゲームにならなかった。あれに比べたら、おおむねまともに動くだけマシである。



 私の本シリーズ上での愛車はホンダS2000とレクサスLFA。あと、高速走行用にMosler MT900S。"4"ではLFAがなくなって結構残念だった。復帰した時は速攻で手に入れた。

 ただ、このゲームでは、わりと一台のクルマにこだわって乗り続ける機会がなく、たいがいは頻繁にクルマを乗り換えることになる。一段落したらとっておきのS2000でメキシコをドライブするんだ、と思っていても、その機会はなかなか訪れないのである。

 フリー走行中も、ついでにスピードトラップなどもクリアしておきたいという理由から、最高時速480km近くまで出るクルマに乗っておきたい。で、結局一番乗っているのはMT900Sということになりがち。

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