ブラウザゲーム
Doodle チャンピオンアイランド
私が知らない間に、東京オリンピックが始まり、終わった。その間、Google検索サイトのトップページから遊べるようになっていたゲームが「Doodle チャンピオンアイランド」。
おそらくオリンピック開会日からプレイできたのだろうが、私がこのゲームの存在を知ったのは閉会2日前。なので急いでプレイする羽目になった。
もっとも、Googleが検索サイトのトップページで度々公開しているゲームは、検索すれば出てきてプレイすることができるから、ゲームの存在さえ知っていれば、いつでもプレイできるだろうとは思う。別に急がなくてもよかった。
また、パラリンピック開催期間中も再びgoogle検索のトップからアクセスできるようになった。
このゲームは、日本の神話や説話をモチーフにしたキャラクターが登場する、オリンピックをテーマにしたゲーム。
プレーヤーは道場破りの三毛猫浪人となって、那須与一や天狗、鬼などを相手に、アーチェリー、卓球、ロッククライミング、マラソン、ラグビー、スケボー、アーティスティックスイミングの7種目のミニゲームで対決し、全種目でチャンピオンの座を奪うのが目的。
島はドット絵のRPG風となっており、島の住人に話しかけることでおつかいクエストが発生する。クエストをこなすことでトロフィーがもらえたり、ミニゲームの高難度版が遊べるようになる。
小癪にも、オープニングにはアニメーションムービーが流れ、各スポーツのチャンピオンとの勝負前と勝利後にもカットシーンが入る。
そして、全てのチャンピオンを倒し、全ての巻物を集めて祭壇に置くと、島に封印されていた地獄の魔王が復活し、主人公に最後の戦いを挑んでくる……と思っていたのだが、別にそんなこともなくエンディングとなる。エンディングムービーを見るだけならあっという間に終わる。
しかし、本番はエンディングの後からなのだが。
キーボードで操作するが、ゲームパッドも使用可能。たいがいはキーボードで問題ないが、一部のミニゲームはパッドの方がやりやすいかもしれない。私はロッククライミングはパッドがやりやすかった。
ミニゲームは、基本的には片手間で遊べる難度となっている……と言いたいところだが、クライミングとマラソンは本気でやらないとクリアできない。特に高難度版の難度はそこそこ高め。
スケボー、卓球、アーチェリーは簡単。特に言うこともない。……卓球のボールが多すぎることに突っ込んでおいた方がいいだろうか。もはやあれは卓球ではない。
ラグビーは、ラクビーらしくパスを繋いで勝とうとしなければ簡単。パスなんかせずにひたすらアイテムを取りまくって一人で突破した方がクリアしやすい。
スイミングは、要するにDDR。全部で3曲ある。同時押しがないため難しくないが、引っかけリズムがあったり、細かい刻みのところでキーがちゃんと反応してるんだかいないんだか、変なミスが出たりすることがあるため、フルコンボを狙うのは意外と大変。
クライミングは、通常版はさほど難しくなく一発でクリア出来たが、高難度版になると途端にガチ難度になる。容赦なく雪玉は振ってくるし、動くホールドを掴むタイミングはシビア。息抜きのつもりで適当にプレイしていた私を本気にさせた。
「なんでこんなゲームをガチでやらなきゃならないんだよォォォォッ!」などと、失礼なことを叫びながら何度か挑戦したがうまくいかず、結局、考えなしにプレイするのはやめて、ちゃんと攻略手順を組み立てることにした。
マラソンも、通常版はそこまで難しくないが、高難度版になると一気に厳しくなる。表向きにはマラソンだが、実はこれは弾よけゲーであり、しかもコースが狭くてうねっているから結構避けづらい。
中盤まではそこそこミスっても取り返しが効くが、終盤でミスると致命的。せっかく終盤まで1位を保ってきたのに、ゴール直前でしょうもないミスをして2位に転落したときの徒労感と言ったらない。マラソンというだけあってコースが長いので、やり直しとなると結構辛いのである。
他のミニゲームは簡単なのに、なぜマラソンとクライミングはこんなにガチなのだろう。
ミニゲームはミニゲームでよくできているし、それぞれにそこそこ遊べるデキになっているが、本作の本領はむしろ、おつかいRPGだろう。結構な数のおつかいクエストがプレーヤーを待ち受ける。
これらは別にそこまで難しくないが、なかなか時間がかかるし、あっちこっちうろうろすることになる。なかなか本格的なおつかいRPGである。ちょっとした片手間に適当にプレイしてさっさとクリアして終わろうなどと、甘チョロなことを考えていたプレーヤーを地獄に叩き落とす。寝る前の30分でちょこちょこプレイしようと思っていたら、なんか辺りが明るいんですけどといった事態も起きうる。無料ゲームのくせに恐ろしいボリュームである。
その内容の多くは、どこそこに行ってなんか取ってこいといったものだが、中にはキャラクターを説得する必要のあるものもあり、会話選択肢の中から正しいものを選ばなければならないものもある。
この選択肢が意外と厄介で、常識的に素直に選ぶだけだとダメなことがけっこうある。どう考えても怒らせるだけだろと思われるような選択肢が正解だったり、なかなかひねくれている。
また、その名の通りの「おつかいクエスト」も多い。水買ってきて、パン買ってきて、というやつ。
しかしこのクエストは困難を伴う。というのも、主人公は無一文なのである。島のチャンピオンだが金はない。島には様々な店があるが、金がないから何一つ利用できない。しかしおつかいはこなさねばならない。そこで、運やら説得やらを駆使してブツを入手するのである。
パンのおつかいでは、試食のパンをもらうことで達成できるが、ここで主人公は何気にパンを食おうとする。食うか食わないかの選択肢が出るのである。食ったらダメだろ! と思うだろうが、もちろん、食ったらダメである。適当にボタンを連打していると、うっかり食ってしまうことがあるので気をつけねばならない。
また、一部のクエストは生意気にも、事前に他のクエストを達成しておかないと達成できなくなっているものもある。一部のアイテムを拾い集めるクエストでは、別のクエストを達成することで行けるようになる場所に最後の1個が落ちているものもあるのである。たかがオリンピック・パラリンピック盛り上げ用の無料ゲームのくせにやってくれる。
これらのクエストの達成状況はトロフィーとして確認可能となっている。トロフィー場の台にトロフィーが設置されたらそのクエストは完了。全ての台が埋まったら真のゲームクリアとなる。
トロフィーの置かれていない台を調べるとヒントがもらえるが、一部のヒントはわかり辛かったり、ヒント自体が間違っているものもあって(矢を買ってくるクエストのヒントで、矢の店は繁華街にあると表示されるが、実際はアーチェリーをやっているところにある)、かえって紛らわしいこともある。
全てのクエストを達成すると、隠しイベントが発生し、メタフィクション的な何かが起きる。
全体的にはマイルドで薄味な内容ではあるものの、ところどころ尖っている部分もあり、ただの毒にも薬にもならない平和的な無料ミニゲームというわけでもない。そこそこ本気でプレイすることを要求してくる。暇つぶしにちょうど良さそうに見せかけて、暇つぶし以上の内容があるし、暇つぶし以上に時間を取られるゲームでもある。
余談だが、主人公の猫の手は四本指で描かれている。ディズニーアニメがキャラクターの手を四本指で表現することが多かったことから、四本指の手はカートゥーンアニメキャラのお約束的な表現となっている。
ただ、日本では四本指が差別表現を彷彿させるとして禁忌とされた時期があり、その影響が未だに完全になくなったわけではないので、日本のアニメで四本指キャラが出てくるのは珍しい。大魔王ゾーマ様ですら、指の数が4本になったり5本になったりとややこしいのである。
それをあえて日本のオリパラ開催記念ゲームのカットシーンでやってのけたのは、それなりに何らかのメッセージが込められているのかもしれない。特に何も考えていない可能性もあるが。
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