スーパーボンバーマンR オンライン(サービス終了)

『スーパーボンバーマンR オンライン』が基本無料なのでとりあえずやってみた。


 私が『ボンバーマン』シリーズをプレイするのはPCエンジンの『'94』以来。スーパーファミコン版は誰かの家でプレイしたことがあったが、あまり好きでなかった。

『ボンバーマン』の対戦モードで私が好きなのは、PCエンジン版『ボンバーマン』か『'93』。PCエンジン版『ボンバーマン』はオーソドックスなルールでストイックな対戦プレイが楽しめる。『'93』はキックができるようになり、攻守共に幅が広がった。

『'94』はルーイが登場し、対戦が間延びするようになったのであまり好きではない。



『スーパーボンバーマンR オンライン』の基本ルールは最大64人によるバトルロイヤルで、最初は1部屋4人、合計16部屋で始まる。制限時間が経過すると1ラウンドが終了し、部屋移動が可能になる。部屋は1ラウンドごとに半減する。最後まで生き残ることが目標。


 キャラクターは8色のボンバーマンと、コナミキャラがたくさんおり、それぞれ初期能力、アイテムを取ったときの最大能力、特殊能力が異なっている。

 コナミキャラに関しては、プレミアムパック(1100円)を買うとほとんど解禁する。一部(現時点ではオールドスネークのみ。ガイズくんは無料で買える)は有料キャラ。

 週替わりで有料キャラが無課金プレーヤーでも使用可能になる。


 有料キャラは強いのかというと、そうでもない。特殊能力持ちのキャラはアイテム強化による伸びしろが少ない。一部のキャラは強力な特殊能力を持つが、その脅威を知っているプレーヤーが多いと集中的に狙われるので生き残るのが難しい。



 プレミアムパックを買うと、プライベートマッチの部屋を立てられるようになる。プライベートマッチでは、バトルロイヤルの他、クラシックモードとグランプリモードで遊べるようになる。クラシックモードは要するに従来のボンバーマンの対戦モード。グランプリはプレイしたことがないのでよくわからないが、チーム戦のよう。

 プライベートマッチの部屋を立てるにはプレミアムパックが必要だが、参加するだけならなしでもOK。



 Steamでは、キーコンフィグはSteam側で行う。デフォルトだとやりにくかったので、少しいじった。具体的には、ボム設置をA(Xboxコントローラー)、特殊能力をRT、パンチをX、キック止めをBとRB。

 あと、このゲームでは方向キーを使って移動した方がやりやすいが、アナログスティックが暴走することがあるので、スティックのデッドゾーンを広めにするか、いっそ無効にしておいた方がいい。



 ゲーム中に説明のない仕様で、プレイしていてもなかなか気付かないものについていくつか解説しておく。

 バトルロイヤルの部屋移動の際、星マークが付いている部屋は、アイテムがたくさんある部屋という意味。星マークが付いていない部屋でもアイテムが出ることはある。どのブロックにアイテムが入っているかは、部屋移動中に星マークで示されている。星付きのブロックが全くない部屋ではアイテムは出ない。

 残りライフ1のキャラクターは赤点滅する。



 ルーイは今作にも登場するが、出現率は低く、また、ルーイ騎乗中は特殊能力がルーイのものに置き換わってしまうので、特殊能力持ちキャラにとってはデメリットにもなる。

 このバランスならルーイがいても問題ないように思う。いない方がよりよいとも思うが。

 なお、プライベートルームではルーイの有無を変更可能。他にも特殊能力やみそボン(クラシックモードの仕様。死ぬと外周から爆弾を投げ込めるようになり、それで誰かを倒すと復活できる)の有無なども決められる。



 プレイしていて気になるのは、爆風が消えているのに当たり判定が残っているっぽいこと。オンラインのタイムラグのせいかもしれないが、爆風が消えてすぐ動くとやられる。爆風が消えてからワンテンポ遅れて行動した方がいいわけだが、これはストレスである。


 稼働直後の数日はロード時間がやたらと長かったが、そこはある程度改善されてきたように思う。そもそも"Dead by Daylight"をプレイしていたら、このくらいのロード時間はなんてことない。



 バトルロイヤルの最終目標は最後の1人になること。やられた場合も、なるべく後の方が評価は高くなる。

 ライバルを倒してもスコアにはならない。ただし、やられたプレーヤーはアイテムをまき散らす。部屋にいるライバルを全員倒すとボーナスアイテムが降ってくる。


 リザルトによってポイントが与えられ、それが溜まることでジェスチャーやチャットメッセージ、スキン、BGM、称号などがもらえる。

 よくある課金システムとして、バトルパス(800円)を購入すると追加報酬がもらえるようになっている。全ての報酬を回収すると、800円分のゲーム内通貨がもらえるので実質タダのような気がするが、800円払ったことには変わりない。その800円分の通貨で何か買いたいものがあるなら一考に値する。


 ランクシステムもあるが、マッチングの際にランクは考慮されていないようなので、ランクの意味は今のところない。



 バトルロイヤルで生き残るにはテクニックも必要だが、中盤までは戦略も重要になる。ただライバルを倒そうとするだけでは長生きできない。

 一番大事なのは無駄にヘイトを買わないこと。不必要に攻めると「あいつ鬱陶しいから消そう」と思われるし、消極的すぎると弱そうに見えて狙われる。威圧感を与えつつも、目立たないことが大事。

 置けるボムの数やパンチ、キック、投げの有無は、できるだけ隠した方がいい。全力を出すのは必殺の瞬間だけでいい。


 開幕で壁越しに爆弾を送り込むのは一見強いが、あれをやると多大なヘイトを買うことになるし、もし相手が投げやパンチを持っていたら反撃される。やるなら必殺のタイミングでやるべき。

 そもそも、開幕に逆サイドの相手を倒しても旨味が少ないという問題もある。アイテムを拾いにいけないし、他のライバルの利益になる。それよりは生かしておいて、他の奴と争わせた方がいい。


 ベスト8くらいまではライバルを倒す必要すらないが、絡んでくる奴からは自衛しなければならない。絡まれた時に消極的だと延々狙われる。可能なら返り討ちに、少なくとも「こいつを相手するのはやめとこう」と思わせる必要がある。

 戦略も何もなく、ただひたすら攻撃してくる人は一定数おり、彼らの自爆テロから身を守るにはテクニックが必要。戦略は大事だが、それだけでは生き残れない。


 いくら目立たないことが大事とは言っても、敵を倒さなきゃ話にならないんじゃないの? と思うかもしれないが、実際は、殺そうとしなくても勝手にライバルは死んでいく。

 プレイしていたらわかるが、このゲームの死因の多くは他殺ではなく事故死。自分の爆弾や、特に自分を狙ったわけではない爆風に当たって死ぬことの方が圧倒的に多い。私の場合、自滅率は8割くらいだと思う。だいたい勝手に死んでいる。

 つまり、自滅さえしなければ、案外ベスト16くらいまで残ったりするもんである。


 さすがに終盤は自らライバルを倒さねばならなくなるが、それまでで倒すべき状況は、部屋が独占できるとき、倒した際にバラ撒くアイテムを回収しやすいとき、相手が隙だらけで倒さないのはむしろ失礼なとき、やたらと攻撃的で放っておくと危ない奴がいるときなど。

 あと、三角頭(重なった相手を倒す)やアルカード(一定時間無敵)などの開幕に特攻できるキャラ、シモン(ムチで相手を強制移動+拘束)などの厄介な特殊能力を持つキャラは早めに倒しておいた方がいい。わかっているプレーヤーが同じ部屋にいれば退治に協力してくれるはずである。

 白ボンも最後に相手にしたくないキャラだが、使っている人が多いので、苦労して倒しても結局また別の白ボンが出てくる。リスクを冒してまで倒すべきターゲットとは言い難い。パンチばっかりしてきて鬱陶しいなどの理由がない限りは無理に狙わなくてもいい。そもそも、白ボンはどの程度強化されているかわかりづらく、下手に狙うと返り討ちに遭いかねない。



 特殊能力を持ったキャラがいるなど、旧来の『ボンバーマン』とは別方向に行ってしまっているので、本当に面白いのか懐疑的だったし、プレイし始めてしばらくはあまり印象も良くなかった。運悪くアイテムが取れなかったらラウンド2で死ぬゲームじゃないかと思っていた。

 ただ、ある程度プレイしたところで、このゲームは戦略の比重が大きいのだと気付いてからは、わりと面白くなってきた。うまく立ち回れば、全然アイテムが取れてなくても案外長いこと生き残れる。弱小国家には弱小国家なりの戦い方がある。

 もはや『ボンバーマン』というよりはバトルロイヤル形式のRTSをプレイしているのに近い感覚だが、それはそれで悪くない。


 実はこのゲームは、RTSは好きだけど、ネットで不特定多数と対戦するのは嫌、という人に向いているかもしれない。RTSの対戦は他のプレーヤーとがっつりと向き合ってプレイすることになるので、いろいろと嫌な思いをしやすい。妙にガチな奴が多い(うまいとは限らない)し、軍師気取りの馬鹿も多い。

 このゲームなら、プレーヤーが64人もいて試合も短いので、嫌な対戦相手と延々過ごすことになることはそうないし、チーム戦じゃないので自分のことだけ考えていればいい。

 馬鹿ほどさっさと死ぬところもいい。巻き添えを食うこともあるが、たいがいは出会う前に自滅しているか殺されている。仮に同室でも、他の人が片付けてくれたりする。迷惑な奴はみんな嫌いだからである。

 そう考えると、なかなかいいゲームである。


 旧『ボンバーマン』の派手な戦いを望む人には向かない。また、まずは全キャラの特徴を頭に叩き込まなければならないので、そういうのが面倒くさい人にも向かない。

 ただ、プライベートルームなら、旧来の形式でバトルをすることは可能。

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