PC:ストラテジー、経営、開発

Factrio

 Steamにて"Factrio"をプレイ。

 このゲームは長いことオープンβをやっていたらしいが、今年ついに正式リリースとなったらしい。Steamなのにセールをしないと公言している。



 プレーヤーはとある惑星に不時着したエンジニアで、(たぶん)ロケットを作って惑星から脱出するために、惑星の資源を採掘して工場を建設する。しかし、ロケットを作っても実際に脱出することはなく、そのまま居着いてしまうのだが。


 プレーヤーは最初は、資源を自分で採掘し、自分で持ち運び、加工しなければならないが、自動採掘機や工場を建てることで仕事を自動化できるようになる。採掘地から工場へ物資を運ぶためにはベルトコンベアで繋ぐ。


 この辺までは似たようなゲームはあるのだが、このゲームの特徴は、水や原油などの流体も扱う点と、発電システムが妙に凝っていること。



 流体については、川からポンプで水を汲んだりするわけだが、あまり遠いと水流が足りずに目的地まで届かなかったりする。その場合は途中にポンプを噛ませる必要がある。

 原油の扱いも凝っていて、最初は石油ガスへの加工しかできないが、後に重油、軽油、石油ガスへの分離が可能になる。この3つはバランス良く消費する必要があり、どこかが偏って生産過剰になると、分離作業そのものがストップしてしまう。軽油は満タンだけど他が空といった事態は起こりがち。



 発電システムはこのゲームで特にこだわりの見える部分である。『シムシティ』などなら、火力発電所を設置して終わりだが、このゲームではボイラーに水を引いてきて、燃料を入れて水を沸騰させ、その蒸気で蒸気機関やタービンを回して発電する。水が確保できなければ役に立たないし、火力発電は燃料を相当消費するため、燃料を確保し続けるのが課題となる。

 原子力発電はさらに凝っている。ウランを採掘したら遠心分離機に投じて、ウラン236と238に分離する。それを工場で炉心棒に加工したら、原子炉に投じる。すると熱が発生するので、それで水を沸騰させてタービンを回すのである。

 炉心棒を作るにはウラン236とウラン238の両方が必要だが、ウラン238は約100分1しか生産されない。ウラン236が余りまくる。そのため、濃縮を繰り返してウラン238を増やしたり、ウラン236を劣化ウラン弾に加工して消費したり、箱に詰めて保管したりする。妙にリアルである。

 太陽光発電は簡単で、パネルと蓄電池を設置するだけだが、ものすごく場所を取る。



 工場の設備はそれぞれに汚染をまき散らす。汚染が広がると、地元の生物が怒って襲撃に来る。戦闘があるのは『シムシティ』タイプのゲームとしては珍しい。

 この生物は、時間経過と汚染度によりどんどん進化するため、こちらも防衛体制を整える必要がある。プレイヤーもマシンガンやショットガン、火炎放射器などを装備できるが、自動で迎撃してくるタレットや長距離砲、地雷、戦車、核爆弾などもある。



 ゲームが進んでくると、工場のレイアウトはぐちゃくぢゃ、方々から襲撃があって修理も大変となりがちだが、そんな時にはドローンロボットが助けてくれる。

 ロボットは自動で修理、輸送をしてくれる他、自動で建設までしてくれる。指定した場所に指定されたものをどんどん設置してくれるのである。ロボットが使えるようになると、工場の管理もだいぶ楽になる。



 この手のゲームは、ある程度発展してくると、やることがなくなって放置可能になる。寝るときにゲームを稼働させっぱなしにして、起きたら資源は潤沢、街も大発展しているとか、そういうことができるゲームが多い。

 しかし、このゲームはまずそうならない。自動化を謳っているゲームなのに、なかなか人力の手から離れられないのである。

 生産過剰でベルトコンベアが詰まったり、逆に資源が足りなくて工場が空回りしていたり。電力不足で停電になり、軽油の生産過剰で石油ガスが生産されていなかったり。工場が順調に稼働していても、敵の襲撃がある。下手に放置しようものなら、敵の襲撃でボロボロになった工場を見ることになりかねない。

 というわけで、プレイ中はずっと張り付いている必要があり、かなり時間泥棒なゲームである。 



 その他、私はやっていないが、マルチプレイもできるらしい。



『シムシティ』などのタイプのゲームが好きな人なら、果てしなく遊べるゲームである。おすすめ。



 さて。このゲームには8時間でクリアすると解除される実績がある。おそらく、このゲームで最も実力の問われる実績だろう。8時間でロケットを飛ばすのはそう簡単ではない。私は3度挑戦して解除した。

 事前に全てを計画して、計画通りに事を運べるなら何も問題ないが、実際には予想外の問題がいろいろ出てくるもので、そう簡単には行かない。


 挑戦してみて分かったことは、タイムアタックする際に一番大事なのは、資源を切らさないことである。時間制限があると思うと、焦って工場の建設や研究を進めがちだが、まずは全ての資源を採掘と発電に注ぎ込む。鉄、銅、石炭、電力、そして、早い段階で鉄鋼を充分生産できる体制を作り、余剰生産分を箱に詰めておく。

 電力は、最後まで持つだけの整備を序盤で作っておく方がいい。途中で停電が起きるとロスになってしまう。火力発電の場合は想像以上に燃料を消費するので、石炭は過剰なくらいに採掘可能にしておく。途中で燃料切れになると相当な時間を無駄にしてしまう。


 充分に資源が確保できたら工場を作るが、やはり後に必要になるモノを大量に作っておく。たとえば序盤では緑基板やエンジンユニットを特に大量生産できるようにしておき、余剰分は箱に詰めておく。これらは多ければ多いほどよく、多すぎて腐ることは絶対に無い。

 中盤まではこの考え方で進めるが、後半戦に入る頃になると、ロケット開発の資源を確保することを考える必要が出てくる。軽量化素材、ロケット燃料、ロケット制御は1000個必要だが、これらは生産に時間がかかる(1個30秒。1000個で3万秒。つまり1つずつ作っていると、それだけで8時間をオーバーする)ので、終盤から作っていると間に合わなくなる。なので、早い段階で7~8個の工場をフル稼働させて量産体制を築いておいた方がいい。8個の工場がフル稼働しても、1000個生産するには1時間以上かかる。実際にはフル稼働できるほど資源が安定供給できないことも多いので、もっと早い段階で生産しておく必要があるわけである。

 ただ、ロケット制御だけは研究に黄サイエンスパックが必要になるのでどうしても遅くなりがち。そのため、たくさんの工場で一気に生産できるように、青基板とモジュールを量産しておくべきだが、そのためには莫大な緑基板と赤基板が必要になる。ここで、序盤にどれだけ緑基板と赤基板を溜め込んでいたかがモノを言うことになる。


 不足しがちなサイエンスパックは水色。エンジンユニットと赤基板を使うのだが、エンジンユニットは欲しいと思ってもすぐには生産できないし、赤基板は用途が多い。というわけで、エンジンユニットと赤基板は早い内から大量生産して貯蔵しておく必要がある。


 サイエンスパックの生産は重要だが、水色や黄色サイエンスパックを重視しすぎるとロケット制御の生産が間に合わずにタイムオーバーになることも多い。必要なモノが全部揃ってからロケットの研究が終わるくらいでもいい。サイロやロケットは、モノさえあればすぐに建造できる。


 タイムアタックにおいて一番ダメなのは、モノが足りなくて待ちぼうけを食うことである。資源さえあれば増産するのは容易い。しかし、いくら工場が稼働していても、資源が足りなければ何も出来ない。


 普通でも敵の襲撃は厄介だが、タイムアタック中は特に厳しい。汚染をオフにしても実績は解除できるようなので、そうした方がいいだろう。

 あえてガチでやりたいというなら、その分資源はより余裕を持って用意し、軍事開発もそこそこ進める必要がある。必要数のタレットや貫通弾を用意するのはそこまで大変ではないが、終盤になると敵が進化して、火力アップ等の開発をしていないとなす術がなくなる。

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