第3話 ②
というわけで初戦となる地区
今回はそうはならなかった。むしろ今大会で3位内で通過したまである。400mでは51秒前半台を出して予選通過。両方とも大阪IH通過した。
高校生時代は個人種目で大阪IHへ出るんだ!ってずっと目標にして走っていたけど、まさかこんなあっさり達成するとは。もちろん念願の進出には嬉しくは思っている。ただ...ズルしたせいで実感が薄いって言うのかな。まぁ良いや。俺がやっているのは歴史の修正。自分がこうありたかったという人生につくり変える為にこうしているのだから。自分で否定するわけにはいかない...。
因みに、I東先輩も俺と同じく200mと400mで予選通過していた。二人揃って大阪IH進出だ。あとリレーも俺は400mリレーでは4走、1600mリレーでは1走を務めた。
地区IHが終わって大阪IHが開催されるまでの3週間。その中で学校では中間テストがあった。当然苦労することなく全教科高得点で突破。ついでに席次1位にもなった。
実は高校での俺は、勉強では常に学年トップを保持し続けていた。運動では完全に埋もれてしまうと早々に悟った俺はせめて勉強ではトップに立とうなどと、訳が分からん理由で予習復習を毎日やっていたのだ。受験生でもないくせに将来役に立つこともない勉強を日に6時間近くも(テスト前だと8時間はやってた)やっていたっけ。その甲斐あって俺は座学成績で学年トップに立ったのだ。
今になって考えると、自分は本当に下らないことをしていたなーって思えるよな。部活成績が全くダメだったから勉強で補填していただけで、学校の勉強なんかそのほとんどが将来に全く結びつかない知識だというのに。
無駄に、がむしゃらに、闇雲に、片っ端から授業で習ったことを頭に入れて、刷り込んで、インプットしていた。所詮は付け焼き刃の勉強法。定期テストでは上手くいったものの、実力テストや模擬試験では惨敗のボロカスで、ただの偽物野郎だった。
本当に......何がしたかったのかが分からない3年間だったわマジで...。
だから、俺はこの高校生活のやり直しには特に全力を注ぐ。何もかもを修正する。学校でする勉強という実りのないものなんか完全に捨てる。まずは昔抱いていたあの下らない拘りを捨てるところからだ。
俺は座学でトップなんか目指さない。
と...決意したものの、俺には引継ぎやチートがあるから結局は勝手にトップになれるんだよなぁ...。だって今の俺ってその気になれば東大入試にも勉強無しで合格できるもんなぁ。ははは、まぁいいや。やりたいようにやるだけだ。
とりあえず確実に決めたことは...座学は一切無視、だ!部活・金・娯楽・女。これらにだけ熱中してれば良いんだ!!はははははは。
勉強事情はそんなところ。そして5月末には大阪IHが開催。
初日には400mに出場。準決勝には進んだがそこまでだ。49秒中盤台までが決勝のボーダーラインだったからなー。今の俺にはまだそこまで走れなかった。つーか400mやっぱキツイわ。
因みに、400mの日に中学の先輩だったべーさんと再会した。彼は去年で記録を凄く伸ばしていたのだが、今年以降の彼の競技成績は沈んで行くんだよねー残念ながら。今回も予選落ちしていた。
まぁこれが現実だ。陸上やってる奴は誰しもそういう壁に必ずぶち当たる。その壁を超えられるかどうかで、生き残れる奴らが決まっていく。将来活躍する柳生とかは壁を超えて行ったんだろうなぁ。
悪いけど俺はズルして壁を超えさせてもらうけどな。
で、翌日の本命200m。決勝でスタートをミスってヤバいことになったものの。6位の座を勝ち取って近畿IHへ進出した。
次のIHへ進出するには決勝6位内が条件だからマジで危なかったわー。一つのミスで簡単に振り落とされる世界だからなー短距離って。気を付けよう。
6月中旬。近畿IHに出場。うちの学校でこの試合に出るのは俺以外で4人いた。投てき二人と長距離二人。うち一人は2年生だ。あの人は確か実業団に入る人だったよなー。大学全国駅伝にも後に出場する実力者になってたっけ。
「お互い頑張ろなー!近畿はめっちゃレベル高いから、厳しい戦いになるやろうけど」
「やっぱり激戦区でしたかここは。競技者の身ですが先輩方の応援もしっかりさせていただきます!」
ともに出場する女子先輩たちとそうやりとりしつつ、いざ戦場へ。
100mにはあの柳生
そして翌日の200mに俺は出場する。やっぱり高校生クラスとなるとレベルが段違いだった。皆速い。温存なんて出来るわけなかった。予選から全力疾走しかしなかった。
決勝は苦しいレースだった。結果は5位(21秒70)。全てを出し切って掴んだ結果だ。やっぱり強いなぁ高校生は。陸上競技界においては高校生勢が日本一になることは最近(2020年代)よくあるからなぁ。実質日本選手権大会みたいなもんだろこんなの。ホントに皆速過ぎるわ馬鹿野郎。
とにもかくにも、俺は1年生ながら個人種目で全国IHへ勝ち進んだ。
部員たちに祝福される俺は素直に喜ぶ。たとえズルして得た力で勝ち取った結果だったとしても嬉しいものは嬉しい。俺さえ良ければそれで良い!
時が進んで8月初旬。青森にて開催された全国IH。うちの学校からは俺とやり投げで出場を決めた3年生の女子の二人が競技に挑んだ。
まぁ結果だけを言うと、俺は準決止まりだった。ファイナリストになるには21秒前半台は必要だった。やり直しチート化しても今の年じゃあまだそのレベルには達してなかった。
自分の脚の遅さに呆れるものだが、俺はまだ成長するんだってことを思うと諦めずにまだ先を目指せる。来年またチャレンジだな。
その後も、大阪総体で1年の部で余裕で勝ち進んで、秋頃には近畿ユース大会に出場した。その大会で、京都の名門校...洛海高校へ進学した柳生と200mで競い合った。
やっぱりこの頃からの彼の成長度はチートを疑うレベルのもので、またしても彼に敗れて2位だった。
さらにそこから勝ち進んだ者たちが競う大会...全国ユースにてさらに多くのトップスプリンターたちと走った。
中学時代の覇者の
そしてもう一人...中学では野球部として活躍していて、後に200mで世界陸上に出場し、100mでは9秒台を出す男。
名前は
というか脚の筋肉が凄い!初めてこいつを生で見たけど凄い体格だな。あの豪脚が後に100mを9秒台で駆けるんだと言われると納得いくかも。
そういった激ヤバレベルのスプリンターが集う中での200m決勝は、何とか俺が優勝した。21秒50と自己新出しての優勝だ。2位の柳生とは0.05秒差だ。
3位の火吉だが、彼はこの頃からは記録をあまり伸ばせないでいた。彼はかなり早熟だったところがあり、200mで自己新を出すのはここからさらに2年近くはかかるんだよな...。それでも全国区なんだけどな。
大池に至っては競技歴がまだ1年も無い。むしろ初心者レベルからいきなり全国ユースの決勝まで勝ち進んできたことがヤバいと思う。どんだけポテンシャル高いんだよコイツは。流石は後のアジアチャンピオンやな。
そういうわけで、高校1年目から俺は、陸上競技において思い切り理想のルートへ修正してやった。それでも柳生たち全国トップクラスにはまだ完全に勝てないでいるが、俺にとっては十分満足できる競技成績だ。
400mで中学ベストを超えることができず、100mも12秒切ることもできず、年に3度も怪我をしてロクに競技が出来なかった間抜け野郎が、本来の俺だったのだから、あんなのと比べればホントに良かったと言えるだろう。
スクールライフは、まぁそれなりに楽しかったかな。昔の俺とは違う振舞いをしたお陰でクラスでは誰とでも気楽にやれた。
特に女子とのやり取りには気合い入れてた。里砂ちゃんに勉強を教えてやったり、互いの趣味のことを話し合ったりもした。このルートでは、けっこう中学時代の部活のことを聞かれたなー。特に全国大会のことについてめっちゃ訊かれた。こちらをキラキラした目で見てたなー。可愛かった。あ~~早く里砂ちゃんとヤりたいな~~~。
他にもTあんずともよく会話した。この子とは3年の時に予備校がきっかけでよく話すことが多くなったんだよなー。卒業する頃には彼女ともっと親しくしとけば良かったなーって思わされたな...。今回のやり直しルートでは俺は予備校には行くつもりは一切無いので、ここであんずちゃんにもっと近づこうと思う。エッチ出来たらなーとは思うが、せいぜい印象に残ってもらうくらいには親密度を上げておきたい。それまではオナネタ止まりだな。顔良いし会話も楽しいし。けっこう好みだ。
あ~~あの可愛い笑顔のまま俺のイチモツをペロレロして欲しいなぁ...!
この年での学校外でのやり直し活動について。まずは金...見た目が大人っぽく成長したので宝くじで100万円を堂々と当選してやった。それを年に3回繰り返したので部屋に札束がかなり増えた。個人総資産はもう1000万台に突入したっけなー。自立する準備はもう始めている。一人暮らし先の場所をもう考えているくらいだ。卒業したらすぐに家を買ってやろう。
娯楽も、DSが3Ⅾ化したりパソコンがさらに薄くなったりスマホが普及したりと色々利便性と快適性に富んできた。活動としては、ポケモンでまた日本一になったり
こうして俺は、リアルとネット世界の両方で充実した生活を送ったのだった。
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