第2話「俺は中学生時代をやり直す」
学ラン......懐かしいなー。このホックとか、式の時以外で止めたことなかったわこんなもの。
四月七日の今日は、中学の入学式。十代前半はこの頃が割と楽しかったような気がする。今ならもっと楽しめそうだ。
左右を見回すと色んな生徒がいる。色んなっつっても見てるのは女子だけだが。
N島
さて、中1になった俺だが、この年の立ち振る舞いには別に気を回さなくて良いや。まだ学年カースト上位のイキリ生徒どもがちょっかいかけてくることはなかったし、昔通りに過ごそう。
まずは部活選び...当然陸上部に入る。同期の部員の顔見るのは懐かしいものだ。
因みに中学からは水泳や格闘技といった他の習い事は全て辞めた。あれもこれもとやってたら遊ぶ時間が消えるからな。武道の稽古は個人で定期的にやれば良いし。あとはひたすら技打ちの繰り返しを続ければオーケーだ。
授業は相変わらず退屈。基本寝てばかりだった。なのにテストは高得点しか取らない。俺には昔の勉強した記憶と授けられたチート能力があるから勉強する必要は無い。毎日部活・武の稽古・娯楽だけの日々だ。俺がしたいことだけをやる日々。学生時代では中々叶うことが出来なかった理想の生活を、今回は出来そうだ。
そんなわけで、まずは部活。当然俺が同期はもちろん先輩たちよりも速い奴になり、早々にエーススプリンターとなった。春時点での俺は100mを11秒50で走るレベルとなっていた。走り幅跳びも6m半ばを軽々と超えたり、400mも一人で非公式で計ってみたところ53秒で走れた。
この時点では俺はまだあえて全力を出し切って競技をしていなかった。今すぐ速くなる必要はまだない。100mを10秒台くらいで走るのは15才になってからでいい。今はまだそんなに目立つ必要は無い。せいぜい大阪の中だけで活躍すればいい。学校内でも俺がもの凄い速い、スーパーエースだという扱いに止めさせる。まだ全国区レベルの選手にならなくて良い。1年と2年の間はまだ鍛錬に費やすだけでいい。今のうちはまだ遊ぶことに力を入れるぞ。
というわけでまずは金だ。金が無いと遊べないからな。未成年の今のうちはまだ宝くじくらいしか大きな収入源が得られない。けれど当選を確実にさせられる手段があるので、中学生にしては大金をゲットできるぞ。
ジャンボ宝くじを買ったわけだが、場所は地元から県外など、電車を乗り継いで色んなところでくじを買いまくった。もちろん販売場所と買うタイミングもしっかり狙って買った。
その結果得られた金額は50万円。これだけあれば遊びに使う金にはそう困らない。ジャンボ宝くじは年に2~3回はあるから、毎回これだけの獲得金があれば毎年100数万は稼げる、働かずにだ!衣食住については親がほぼ出してくれるから気にしないでいい。
欲しいもの...携帯ゲーム機数台、よみ集めたい本やラノベ全巻、インターネット無線、エロ系色々。他にもたくさん何でも買いそろえることが出来た。今や俺に不十分なんて要素は無いに等しい。こんな中学生そうはいまい。まぁ俺中身が25才なんだけど。
中1のスクールライフについて。クラスでの立ち位置に問題は無し。勉強成績も当然余裕。同級生男女ともに仲良い奴らは何人かいる(当時よりも交遊関係が広まった、特に女子と)。
部活では完全にエースとして称えられ、先輩たちとの仲も良好。記録会に出ると他校から俺の名前が知られることもあって注目されるようにもなった。当時の俺は記録会や選手権大会で他校の奴らと会話したことなんて全く無かったが、今では普通に会話することがあった。力があれば人が勝手に寄って来るってやつかね。
そんなこんなで中1の学校生活は特に何も変な問題にはならな――
「おいNNS!調子に乗ってイキってんじゃねーぞお前!」
......そう平和的に行かないこともあった。
俺につっかかってきたのは誰であろう、当時も今も変わらず学年でデカい顔してイキってるカースト上位の男、S中だ。こいつとは小学の時から顔を合わせたことがある。サッカークラブでだ。あの時からこいつはボス面して皆からマウントを取っていたクソ野郎だった。
そして今では、それに拍車をかけてさらに嫌な奴になってしまっているどうしようもないイキリ野郎だ。
「キモ、無視無視」
心が広い(?)俺は一度だけ見逃してやろうと、煽るだけ煽ってS中を適当にあしらってやった。俺と奴との武力の差は小学時代で思い知らせてやったはずだが、まさかそのことを忘れてしまった愚物なのだろうか...
「てめッ、ざけんな!今の俺ならテメーなんかすぐ泣かしたるからなっ!」
学習能力が欠落している愚物だったようだ。S中は廊下で皆がいて皆が見ている前で、うるさく吠えながら俺に掴みかかって喧嘩をおっぱじめようとした。
俺はS中に対して呆れ果てている一方、これとない好機が来た!という嬉しい気持ちも抱いていた。理由は当然、かつてこの中学時代で受けたあの屈辱や理不尽を今ここで晴らせるからだ!
今と同じ時期に、こいつは同じ小学の誰から聞いたのか、俺が万引きしたということを、皆がいる前でそれが嘘か真かを大声で尋ねやがったのだ。嘘ついても無駄だと悟った俺はその場で俺はやっていたと言ってしまう。
結果S中は大声で俺が万引きしたー!と騒ぎやがった。当時の俺は目立つのが(特に悪目立ちが)嫌な性格だったが故に、S中にそういうのは止めて欲しいと頼んだのだが、当時奴は、「事実やろうが!」「イキんなやクズが!」などとキレて俺に理不尽暴力を振るう始末だった。
それ以降も俺を理不尽に暴力振るったりがしばしば。奴にはかなり苦痛を強いられた中学生時代だった。
なので、その加害者がこうして自分から向かってきたのはとても
「あの時の恨み、ここで晴らす時が来たぁ!!」
皆がいる廊下で皆が見ている前で、俺はS中をボコボコのギタギタのボロボロにしてやった!
「くらえっ!約5年間練習して鍛錬して積み重ねてきた俺の、武術をっ!!」
「ぎゃああああああああああ......っ!!」
合気で地に叩き落とす。そこから顔面を踵で思い切り踏みつける。服を掴んで強引に起き上がらせて立たせて、壁に押し付けながら腹に蹴りを何発も入れていく。肘で顔面を何度もぶん殴って歯を折ってやる。そして気が済むか先生が来るまでひたすら拳をぶつけ続けていった...!
苦労しなかった喧嘩しかせずロクに鍛錬もしていないイキり中学生と、数年間修行してさらに中身が完全成人男性レベルにある俺。どちらかが強いかなんて論ずる必要は無いよね。
圧勝だった。気持ちよくS中クソ野郎をぶちのめして完全に潰してやった。
「どうだ思い知ったか!?小学の時で懲りたかと思ったらまだ調子に乗ってつっかかりやがって!ハッキリ言うぞ!俺からしたらお前なんか雑魚なんだよ!ザ・コ!!
今後俺の前で二度とデカい面して歩くな。二度と俺につっかかってくんな。次は......殺すから」
相手はまだ中1の低レベルなクソガキだから、汚くて強い言葉を脅し文句に使って、S中を完全にビビらせて屈服させてやった。
ざまぁみろ。中身も中学生だった俺が成し得なかったことを、大人になった俺が成してやったぞ。お前ごときが俺の上に立ってんじゃねぇ。俺が強いに決まってんだよ!
この日をさかいに、学年では俺が一番強い男となった。S中をぶちのめしたことで、他のイキり男子どもも連鎖的に俺につっかかることがなくなった。
同学年で俺に敵対するバカどもは消えたが、ここからは本来起こらなかった展開が起こるようになった。
「後輩をずいぶん虐めたそうやんか」
サッカー部の上級生どもやS中と仲が良い先輩どもが俺に報復しに来た。
まぁ、どうということはなく全員返り討ちにして〆てやった。
だが、さらにその数日後。
「お前か。最近イキってる下級生いうんは」
2年のカースト上位イキりどもが俺に絡んできた。けれどもこれも難無く撃破する。
さらにまた、
「先輩にたてつく1年ってのは、お前?」
今度は3年の、以下略。
「お、お前...ホンマに1年か、よ......っ」
「まぁな。ちぃと普通じゃない1年なんやわー。ゴメンな、(ズルして)強くなり過ぎてなー。分かったら二度と俺に絡むなよ?次はー、もう無いと思えよー?」
こうして俺は学校で一番強い中学生へと成り上がった。喧嘩において名実ともに知れ渡った俺に不快なちょっかいをかけるバカは今度こそいなくなり、俺は完全に平和で楽しい学校生活を手にしたのだ!
もちろん最初は誰からも怖がられて距離を置かれたが、同じ小学だった連中が俺を上手く扱ってくれたことと、俺自身が気さくに穏やかに優しく振舞ったことにより、すぐいつも通りに戻すことに成功した。
同級生たちからは凄い凄いとチヤホヤされ人気者になり、カースト上位を気取ってたイキり男子どもは俺を畏怖して遠ざかり、部活では先輩たちと良好関係を結びともに練習に励む等々...中学1年目で完璧な起点作りに成功した!
娯楽面でも、ポケモンダイパシリーズの傑作「プラチナ」をやり込んだ。当時はWi-Fi通信で全く遊べなかったから、今回はWi-Fiでプラチナを遊び尽くしてやった。いや~知らなかったなー。こんなパレードじみた催しなんかあったなんて。意外と面白いんだなこのミニゲーム。
因みにこの頃から俺はこっそりとポケモンで日本一決定戦に出場しまくっていた。結果優勝。俺はゲームでちゃっかりと日本一になってみせた。結論パーティを完成させた結果、完全全勝無敗を確立させてしまった。楽しかったー。まぁあのパチリス入りパーティにはヒヤッとしたが、問題無く勝てた。
他にもスマブラやモンハン、ギャルゲーなども堪能してやったぜ。
1年生から金と力とスクールライフと娯楽全てが充実した日々を送れたな。
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