進む
正直、男女比が合わないとか、そんなことはどうでもよかった。
少し遅めに教室を出たせいで、雨が降ってきてしまった。傘は持ってきていないが、まあ差さなくてもいいや、と思える程度だったから、走って帰る。
僕は片想いをしている。さっきカラオケに行った2人ではない。可愛いとは思うし、もし付き合えるなら、嬉しい話だ。
でも、僕にはそれ以上に優先したいことがあった。
家に着くと、私服に着替えて、傘を持ち、電車に乗り、ある人の家に向かった。
僕の想いが、彼女に届くかはわからない。同じクラスの人と上手く関わっていけば、彼女は案外簡単に作れるのかもしれない。
でも僕は彼女に会いに行きたかった。
ノリの悪い奴と思われたかもしれない。それでもいい。
彼女とずっと一緒にいられるのなら、友だちなんて要らないとすら思える。
彼女の家のある駅を出ると、雨は上がっていた。
選択肢なんかいらない。初めから心の奥底で一つに決めているのだから。
「あ、今日あの人まだ学校だった……」
オプション 変太郎 @uchu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます