第十話・終わり
「俺にはそういう趣味は無い」なんでそんな事言うの?
お兄ちゃん、ボクの事、好きじゃないの?「後輩としてな」じゃあ……ボクを、生涯のパートナーとしては?
「……お前、男だろ?」……ッ!そんなの、そんなのどうしようもないじゃない!!
たかが性別が同じだから……それでお兄ちゃんを諦めろって言うの!?
嫌だよ、そんなの……男だから、男だからボクはお兄ちゃんの傍に居ちゃいけないの!?おかしいよ!!
「落ち着け」いや!いやいやいや!!ボクはお兄ちゃんが好きなんだ!
お兄ちゃんじゃなきゃダメなんだ!ねえ、お兄ちゃん、お願い、ボクを選んでよ!!
ほら!ボク、そこらの女よりも可愛いでしょ!?女の子よりも、ずっとずっと女の子らしく出来るんだよ!!
お兄ちゃんの言う事なら、なんでもするよ、なんでも言う事聞くよ!気持ち良い事だってしてあげる、同じ男性だから、何処を触れば感じるのかだって分かるんだから!
いいでしょ!?お兄ちゃんッ、ボクと一緒に居て……ボクをお嫁さんにしてよ……お兄ちゃん……。
「ダメだ」……ボクが、男だから、ダメなの?「そうだ」……ふ、ふふ。
そ……っか、ボク、男の子だから、いけないんだ。
そっかぁ……じゃあ。女の子のボクだったら……お兄ちゃんはボクと一緒に居てくれるの?
「あぁ」……そっかぁ……じゃあ、しょうがない、よね。
分かったよ……お兄ちゃん。ボクは、諦めるよ……。
「……何故、士柄武物をッ!?」………諦める……ボクは、今の人生を、諦める。
「バカッ!お前、自分を刺しやがって!」お兄ちゃん……えへへ、血が、綺麗だね……。
次に、生まれて来る時は、女の子として、生まれてくるから……。
「冗談言うな、クソッ!止血しねえと!」……あぁ。でも……お兄ちゃんが、ボクの居ない世界で……ボク以外の人と好き合うのは、嫌だから………。
「かッ―――ハッ!?」ボクと一緒……ボクと一緒に………そして、生まれ変わったら……今度こそ……。
ボクを―――お嫁さんにしてね?
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