第四話・士柄武物


 お兄ちゃんお兄ちゃん。この潰れた温泉旅館が厭穢が居る所?


「あぁ。かなりの数が居るらしい」本当?なら、お兄ちゃんに良い所が沢山見せれるね。


 見ててねお兄ちゃん。ボクがいーっぱい厭穢を祓う所をね。


「危なかったら逃げろよ」大丈夫だよ!多分一年生の中なら、ボクが一番戦闘力があると思うから!


 それじゃあ行くよ!「ん?眼帯を外すのか」うん。ボクの眼、洞孔で繋がってるから。


 神胤を循環させると、見えないモノも見える様になるし、動体視力も上がるんだよ。


 それじゃあお兄ちゃん。先に言ってるからね。「おい。スカートたくし上げてどうすんだ?」あ、お兄ちゃん見ないで。少し恥ずかしいから……。



 ボクのモノを出す所……「うおッ!?スカートの中から武器が出て来やがった」これがボクの士柄武物。



銭貫せんぬき』『白狐はっこ』『円大刀つぶらたち』『岩神槌やがみつち』『尼子銃丸あしつつまる』『八頭足鎌やずたりかま』。



「なんだよ、その士柄武物の数は」んー?えっと。これがボクの使う士柄武物だよ。



 今日持って来たのはこれだけだけどね。「今日持って来れたのは?」うん。家にまだ沢山あるんだ。



『銭貫』は軌道設定で自在に射出する事が出来る槍で、『岩神槌』は地震を発生させる木槌。



  後は……この『八頭足鎌』!結構貴重でね?一振りで八つの斬撃を繰り出せる鎌なんだよ。



  あとは……「なあ」ん?どうしたのお兄ちゃん?



「お前の家、喫茶店だろ?」あ……うーん、そうだね。表向きはね。



 ボクの家は、表向きは喫茶店なんだけど。祓ヰ師としては一流の武物遣いなんだ。



 お父さんもお母さんもお兄ちゃんもすーっごく強くてね!



 あ、でもお兄ちゃんは亡くなったんだぁ。



  ……だからね。ボクはお兄ちゃんを亡くさない様に頑張るの。



 お兄ちゃんが死なない様に。ボクが頑張るからね!



「死ぬ程頑張るなよ」大丈夫!ボクに任せてよ!



 それじゃあお兄ちゃん行くよ!「あ、おい待て!」待たないよー!おっ先ー!!


      


      


      


    



 2325


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る