第三話 奢り

 あ、八峡八峡っ!ここのお店の食事美味しそう!「寿司屋じゃねぇか」えー。じゃあここのお店とか!「ステーキ店かよ高い」えー、先輩の士柄武物売ったんだから結構潤沢してるんじゃないの?


「もう残ってねぇよ……」あの裂空以外に何買ったの?「あー……適当な士柄武物」へぇ。使えるの?「……」え?使えないの?なんで買ったの?宝の持ち腐れじゃん。


「うるせぇな!」わわ、そう怒んないでよ、大丈夫だって。私が居るからある程度のレクチャーも出来るし、なんなら知り合いの具足装甲遣いの人でも教えてあげようか?


「良いよ別に、ほら、店に入るぞ」あ、うん……ん?ここ居酒屋じゃんか。入って大丈夫なの?


「あ?俺ら国の法律に適用されねぇんだろ?」うん。けど、一応見た目未成年だし……。「?……」……え、なに、そんな黙って。どうみても未成年でしょ?


「その胸と尻と太腿で良く言うぜ」は、なに?私の何処を見てんの!?「童顔でもその肉体は十分大人に見えるだろ」うっわ!サイッテー!八峡、友達をそんな目で見るんだ!最ッ低!さいってー!!


「あ?俺ら友達なのか?」うわっ!性的な目で見るよりも最低最悪な発言したな八峡ぃー!友達と思ってたのは私だけか!!


「そうか……友達か……なら、そうだな」……うぇ?どうしたの?八峡。


「友達なら……態度を改めるわ」……ん?八峡、どうしたの?「なにが?」いや……なんか気持ち悪い。


「気持ち悪いって……」だってなんか、さっきまでの八峡と雰囲気違うもん。見た目は同じだけどなんか中身が違うみたいな。


「なに馬鹿な事言ってんだよ」ほら、なんか口調も少し柔らかくなってるし!どうしたの八峡、え?本当に八峡!?


「奢るのやめようか」あ、ウソウソ!冗談冗談、なんか優しい感じになったからちょっと違和感覚えただけだから。


 でも、そっか。ふーん……八峡ってそんな雰囲気になる事があるんだ。「悪いか?」ううん。私的には、八峡はそっちの方が良いと思うな。


 落ち着きがあって余裕そうで、少し大人っぽい感じがあるもん。


「褒めてんのか」うん。私はそっちの八峡の方が好きだな。


「そうか」うん!あ、早く入ろう?八峡。私お腹空いて来ちゃった。


「お前は良く食べるな」えへへ……まあ技巧師って重労働だから。


 さーって、何を食べようかなー。八峡はどれにする?


「酒でも頼んでみるか」えー、やめといた方が良いよ。私、介抱するの嫌なんだけど。



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