葦北静月編
第一話 出会い
ん?あ、やっほやっほ。
「誰だお前。倉庫前で何してんだ?」私?私は葦北静月。この学園に通う事になった新入生。
きみは確か、八峡義弥……って言うんだよね?噂は聞いてるよ。「どんな噂?」最悪の新入生。人間国宝にも成り得た凄い先輩を見殺しにした人。
「悪評じゃねぇか」うん。もっぱらそういう噂しか聞かないもん。
でも、まあ。見た感じ悪い人じゃなさそうじゃない?「見た目だけは良いからな」うん。なんて言うか……テレビで出る様な美形じゃなくて、ホストとかそういうお店で見そうな顔してる。
「まあ、否定はしねぇけど」八峡ってさ。どうしてこの祓ヰ師の仕事を選んだの?
「無理やり連れてこられた」へぇ。じゃあ自分の意志じゃないんだ。それって大丈夫?この仕事、長続きするの?
「続く続かないの話じゃねぇんだ。絶対にならなくちゃダメなんだとよ」そっか。色々と大変なんだ。「そういうお前は?」私?私はもちろん。好きでこの仕事に就いているよ。
と言っても、八峡と同じ様な祓ヰ師って言う仕事じゃないんだけどね。「? じゃあなんだよ?」私は技巧師。知ってる?この八十枉津学園には専攻が沢山あるの。
まずは八峡が在籍する祓ヰ師。次に祓ヰ師のサポートをする結界師、そして他にも色々とあって……私は絡繰機巧を操る技巧師って言う職業なんだ。
「絡繰機巧?」あれ?知らない?絡繰機巧。特殊な金属や材質で作られた古代兵器に属する傀儡人形のこと。
口で言うより見た方が良いかな?「何嵌めてんだよ」ん?これは絡繰機巧を操る為に必要な指輪の指弦。指弦は神胤で生成された特殊な糸が分泌されて、絡繰機巧と接続するの。
指の動きで絡繰機巧を自在に動かす事が出来て……よっと。「うわ、倉庫の中から出て来た」これが私の絡繰機巧〈
「へぇ」あれ?興味ない?「いや……まあ、凄いんじゃない?」うーん、インパクトが弱かったのかな。もう少し、ドカンと派手に動かせば……。
「うぎゃぁ!刃物振って来やがった!」あ、あれ!?おっかしいな、動かしをミスる筈がない……って。え、〈翁〉こっちに来るっ!八峡もッ……きゃっあ!
「いってぇ……クソッ気を付けろ……って………」…………ちょ、ちょちょちょ、八峡、腕、手、私、胸っ。
「うわっマジかやべえラッキースケベじゃん胸揉んどこ」うぇええっ!揉むなぁ!このッバカッ!エッチ!!「冗談だっ」こんの――
「ぐべあッ!」ばーかばーか!八峡のばーかっ!「悪かったって」ぐるるっ。「あー怒るなって……ほら、なんか奢ってやるよ」え?ホント?
えーなんでもいいの?高い食べ物って言うか好きなモノを沢山買ってもらうけど良いの?「あぁ、いいけど……」やったやった!
じゃあ早く外に出よ?おうどんとスパゲティとラーメンがタダ食いだぁ!
「チョロイわコイツ」ん?なんか言った?「別に」そお?じゃあ早く行こう?
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