第十話 終わり

「この………この……ッ」………ふふ……義弥……全然だめ……そんな殴り方で良いと思ってるのかしら?


「うるせぇ!ばーかっ!」罵倒も…………………・・・………単調で…………まったく心に響かない………はぁ……本当に………全然ダメね。


 …………………でも………期待させておいて…………このレベルなんて……これはこれで……絶望的で素敵ね。


「嬉しくねぇ!」ふふ……これじゃあ………私が嫌がる事なんて…………当分無理ね?


 じゃあ…………必然的に……もっと………………あなたの傍に…………居てあげる。

 私が嫌悪するぐらいに…………私が激怒するぐらいに……………私が絶望するぐらいに。


 それを体験するまで……………あなたの傍から………離れる事は出来ないもの。


「絶対泣かしてやる」ふふ……楽しみにしているわ。あなたの……その嫌がらせを……。


 そして……いつか絶対………この私を屈させて?


 あなたの鞭で…………この卑しい豚を……………屈服させてみて……………?


 それまで私は……………あなたの傍で…………………あなたの全てを………受け入れてあげる。


 ふふ…………楽しみね。毎日が………これから。


「上等だ」ふふ………ねぇ……義弥………あなたと出会って……一つ………訂正したい事があるの………。


「なんだよ」私が間違っていたわ………あの言葉は……貴方に不釣り合いですもの………。


 そう……あなたは無価値じゃない………少なくとも……この私が……。


 辺留べるかおるが………あなたを必要としている………。


 だから………あなたは………価値のある人………。


「……」どうしたのかしら?………そんな複雑な表情を浮かべて。


「嫌がらせをする事が俺の価値か……」………落ち込んでいるのかしら?ふふ……。


 そういうところも………素敵よ……義弥。

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