第九話 一人用ベッドに二人
………………「……ん?」おはよう………義弥………。
「……なんで隣で寝てんだよ」ここは医療施設よ?私もあなたも………同じ様に傷だらけなのだから……ベッドで安静にしている様に……言われたの………。
「普通病人は同じベッドで眠らねぇよ!」それはそうでしょう………だって……私たちは怪我人ですもの「揚げ足とんな……はぁ……もう良いわ」………そう……良いのよ……私の温もりを感じてくれて。
「………はいはい……」………ふふ……そのなげやり感……嫌いじゃないわ……。
「ばーか」その罵倒も……可愛らしくて良いわね……。
「……どうしたら怒るんだよあんた」……私?そうね………私は……どうしたら怒るのかしら………考えた事も無かったわ。
昔から……人に怒られるのは好きだったし………人から貶されるのも好き………だから……怒る感情が……欠落しているのね………全てを快楽と興奮に変えてしまうから………。
「そうか」えぇ………「なら俺は、あんたを怒らせてみてぇな」………私を?「俺は人の嫌がる事が好きなんだ」知ってるわ………それが……あなたの戦い方でもあるもの。
「だから……あんたを怒らせてやる」
「そうすりゃ……俺の傍に居るのも嫌になるだろ」
………ふふ………そうかしら?本当に?そう思うのなら………是非……私で試して欲しいわ………。
それでも……私が嫌がる事なんてない………どんな嫌がらせも………暴力も………。
私はあなたの………その全てを……飲み込んであげるから……。
ふふ………素敵ね………どんな事をしてくれるのかしら……………。
あなたの力で………どうか…私を困らせてみて?
私が………あなたの傍に居てあげるから……。
「絶対に怒らせてやらぁ」絶対に喜んであげる……。
ふふ……よろしくね……義弥……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます