第八話 雷罰

 ぐ………かはっ…………「貴様が俺に勝てるわけがないだろうが」…………ふふ、そうね。


 流石は………雷の因子を持つ………輝嶺峠………義勇之介………と言ったところ………ね。


 けど………同期だからって………少し優し過ぎるんじゃ……無いのかしら?………まだ………手も……足も……十分に……動くのだけれど……。


「なら今度は」…………肉体を電気に変換して………やけに大きい……雷の球ね………それを私に………?………ふふ。


 そんなの当たったら………私も……ダメかも知れないわ………「後で医療施設に送ってやる」……必要ないわ……この傷は………心地良いもの………。


 …………………?………当たってない………っ……義弥……あなた……一体なにを………?


「俺の雷を真面に受けたか」………なんで、なんで私を庇ったの……貴方は………一体……どういうつもり?


「お、俺は……無価値……無価値じゃ……」……そう……あなたは………自分に価値を見出す為に……私を庇ったのね………。


 けど………そんなの……価値が付加される行為じゃないわ………自己犠牲が……価値を得ると思ったら……間違いよ………。


「退け」……義勇之介……もう良いでしょう?私にとって放った筈の軽い技は……なんの技術も持たない彼にとっては致死に近い一撃………。


 かたき討ちは……それで終いとしましょう?「まだだ……まだコイツには……」ダメよ……これ以上は……先生を呼ばざるを得ない……。


「………クソ」そう……おとなしく……引いて頂戴……私は、この子を……医療施設に運ばなくちゃいけないから………。


 じゃあね………義勇之介………行きましょう?……義弥。


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