第七話 散髪
もう……こんな時間ね………名残惜しいけれど……今日は帰るわ。
「あぁ……そっすか」また明日も来るから……それか……用事が終わったら……あなたが寝ている内にお邪魔するかも知れないわね……。
「いや遠慮してくださいよ」ふふ………可愛い………じゃあ、またね?義弥。
「どういう事だ」義勇之介…………なにがかしら?
「あの愚者に就いた事だ」………あぁ……義弥と付き合った事?……ごめんなさい……彼、想像以上に私のタイプだったから………。
「盟友の仇はどうなる?」…………それは………申し訳ないと思ってるわ………けどね………もういいじゃない……「なんだと?」もう彼は死んだのだから………いつまでも固執するのも………良いとは言えないわ……。
「貴様………」だって……そうでしょう?……もう彼は死んだのだから………死んでしまったものはもう蘇らない………遺体があればまだしも………その遺体はもうどこにもない………。
それに………義弥には………五十市くんの術式を引き継ぐ可能性があるじゃない…………彼個人の価値は……義弥が摘み取れる可能性もあるのだから………。
「俺は奴の盟友として仇を取るだけだ」もうやめましょう…………争ったって………意味なんて無いのだから。
「お前がそれを言うか」えぇ………私が言うの…………「……羨ましい事だ」……私が?どうして?「お前は八峡義弥と言う依存先を見出したからだ」………ふふ、そうね。
多分……彼と恋仲になったから………復讐が馬鹿らしく感じたの………「なら勝手にすれば良い」えぇ………勿論、勝手にするわ………。
「だが……あの愚者は俺が仕留める」………ふふ。ねぇ義勇之介。……彼に手を出したら………私が相手になるわ……それでも良いの?
「別に構わん、貴様を焼き尽くしてでも向かうぞ」………ふふ、ねぇ義勇之介……髪の毛が長いけれど……少し散髪でもしないかしら?
丁度……鋏を持ってるの………よく切れて……よく叫ぶ……そんな鋏が……。
啼き叫べ………金切雀………。………さあ……そのウザったらしい髪型を……丸坊主にしてあげる。
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