第六話 味噌汁

 義弥………作ってみたの……食べてくれる?……「はいはい……」……どお?おいしい?義弥。


「近い」良いでしょう?近くても……あなたの食べる横顔を間近で見たいんだもの………。


「……っッ!?んだこりゃッ、しょっぺぇ!!」そう?………もう少し、塩気は少ない方が良い?


「まるで海水じゃねぇか!この味噌汁!!」ん………そうね、少し塩辛いわ。……もう少し、塩分は控え目なお味噌汁にしてあげるわ。


 それじゃ……少し待っててね………「おいおい、何処に持ってくんだその料理」勿論……捨てるのよ?あなたの口に合わなかった料理なんて………ただの豚の餌でしょう?


「馬鹿かッ勿体ねぇ!」自然的に暴言を吐いてくれるのね………興奮しちゃうわ「良いから戻せって」塩辛いのに……食べるの?


「湯で薄めりゃ良い話だろうがこんなもの」あぁ……そう言われたら……そうね。


 けど……良いの?お味噌汁……温くなっちゃうわ。「別にいい、捨てるよりかはマシだ」………へえ、なんだかあなた……噂によらず優しいのね………。


 けどね……私にはそんな優しさ………欲しくないの………もっと………罵ってくれなきゃ………。


 飯が不味いのなら……思い切りぶっても良いの……髪の毛を引っ張ったり………握り拳で……殴ってくれても………良いのよ?


「……なあ、まさかアンタ」………ふふ、そうね………ワザと……分量を間違えたの………。


「………アンタなぁ」けど……同時にあなたの好みを知る為にしたの………。


「俺の好み?」味が濃いか……味が薄いか………好みは人によって違うから………。


「それだけの為にこんな濃い味噌汁をか?」そう………これで一つ………あなたの事を理解出来た。


 少なくとも………味噌汁は薄味で………「いや普通で良いんだよ、調べ方が極端過ぎるだろ」


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